第6回「雪と氷の造形を撮る」

写真A

雪が舞うと、自然大好きの万歩クラブの会員さんは、わくわくすることでしょう。普段の靴に手軽につけることができる簡易アイゼンの利用者が増えて、都会での歩行もより安全になりました。また近年では、スノーシューをはいて雪原の上を自由に歩行して、さまざまな情景や現象を堪能する人も増えてきました(写真A)。
雪が舞ってきて、さらに積もってきたら、魅力的な場面を味わいにカメラを持って出かけませんか? 想定外の「感動発見!」に期待いたしましょう。
外から室内に入るときは、カメラをビニール袋に入れると、結露を防止できます。

①都会で見つけた現象

作例B

雪が舞った日は交通の心配がありますので、遠出は避けましょう。温暖な都会でのつららは目にしにくいものですが、作例Bは、つらら発見! に喜びました。信号灯の熱で融けた雪が、意外な場所でかわいい造形を見せています。カメラに内蔵されているフラッシュを発光させてみると、降ってくる雪が白くぼけて写ります。望遠側を使ったり、絞りを開いたりすれば、ボケも大きくなります。フラッシュのモードは「強制発光」を利用します。

②手前から∞(無限遠)まではっきりと写す

作例C

作例Cは、山中湖の湖面の氷が割れて、風によって折り重なった造形が印象的です。手前の氷から遠方の富士山までピントが合うように撮影したものです。コンパクトデジタルカメラの場合は、ワイド側で撮るとレンズ径が小さい構造のため前後のピントがよく合うので、立って高い位置から撮影します。デジタル一眼カメラの場合は、ワイド側で絞りを多く絞ります。作例は24mmでF14。このように手前から遠方までピントの合った表現は、パンフォーカスといいます。

③水面の反射を生かして

作例D

雪原の低地や湖沼付近では、時として昼間融けた水面がのぞきます。そこに映る木々などが水面の形の中に面白い模様を描くことに気がつきました。夕方では赤い水面となり、雪原は、赤紫色の幻想的な世界が、時間とともに変化していく様子は、大自然の醍醐味です(作例D)。雪景色の夕景などを魅力的な色調で撮りたいときは、オートホワイトバランスをやめて、太陽光(晴天)モードを利用します。

④新雪のチャンス

作例E

雪国では新雪に出合う機会に期待しましょう。木々の枝は雪の積もり方や、風の通り方によって、奇妙な情景も現れます。岩や草木が帽子をかぶるような造形を見せることもあります。沼の水に降り注いだ雪と、降り積もった雪の濃度が異なる作例Eの場面、新雪ならではの無垢な世界に遭遇しました。足元の安全に最大の注意を払いながら、早朝の青の世界を撮影するときは、ぶれないために三脚を使用しました。

写真の豆知識 露出補正

コンパクトデジタルカメラは、オート機能を利用すれば、たいがいのシーンを絵柄が分かって写るように進化してきています。少し暗く写っても、色が偏って写っても、カメラ屋さんでのプリントでは、さらに理想的な補正で見栄えのするプリントが得られます。また、自分でプリントを楽しむ人も増えてきました。雪景色を撮影してプリントしてみたら、少しグレー調子だったことを経験していませんか? カメラが明るすぎると感じて、暗めに撮る結果、私たちの期待感とずれがあることが原因です。撮影するときにプラス補正をすれば、雪の白が、私たちの感覚の白に近づきます。コンパクトデジタルカメラのユーザーでも、露出補正を練習しておくと、より美しい画像を撮ることができます。

著者プロフィール
光川十洋(みつかわとうよう)
日本大学芸術学部写真学科を卒業し、学研で編集・創作分野を歴任。クラブツーリズムやカルチャーセンターなどで写真講座やバス撮影ツアーの講師を。本誌『アルク』表紙や『週刊女性』『獣医畜産新報(JVM)』など連載中。