第10回「ダイヤモンド富士に挑戦」

富士山周辺のウォーキングは人気が高く、湖や林の趣、豊かな野鳥や植物が楽しめます。さらに特有の季節感や現象もあり、なかでも十月中旬からは、夕方のダイヤモンド富士の季節となります。富士山の頂上に太陽が重なる情景をダイヤモンド富士と呼び、山中湖にもその姿が映える時季です。朝夕ともに見られますが、朝の場合は未明から富士山の西側にスタンバイする必要があり、少々大変です。夕方なら、首都圏から日帰りで味わうことができます。
場所としては遠方から見た場合、富士山頂に対し太陽が大きくなりすぎます。そこで富士山周辺から見てみると、太陽が相対的に小さく見え、富士山頂にキラリとした光芒がまさにダイヤモンドの輝きのようです。この感動を、ぜひ写真で表現してみましょう。
ダイヤモンド富士はコンパクトデジタルカメラでも撮影が可能です。構図によっては、オートフォーカスが機能せず、シャッターが切れないこともあります。この場合は、構図を変えてみましょう。また太陽が入る位置によって画面の濃淡が変わってきますので、いろいろ工夫してチャレンジしてみてください。
デジタル一眼カメラを使う方には、「M&Mテクニック」をお勧めします。M(マニュアル)モードを使います。シャッタースピードと絞りは自分が決めるモードです。シャッタースピードは、1/500秒、絞りはf22(ISO100)
にします。絞り値を大きくするのは、光芒がシャープに表現されるからです。フォーカスはMF(マニュアルフォーカス)にします。つまり機能のMとMの利用です。撮影した画像を再生してみて、光芒を鋭くしたいと思えば、より速いシャッタースピード(1/1000秒、1/2000秒など)にします。逆に
輝きの明るさを強調したいときは、ゆっくりしたシャッタースピード(1/250秒、1/125秒など)に変えていきます。シャッタースピードの変更という簡単な操作だけで、富士山の表情を変えることができます。太陽が富士山頂に接し始めてから見えなくなるまでの約三分半が、光芒表現の勝負です。撮影のポイントを以下に挙げてみましょう。

①富士山全体を入れる

作例A作例A 大きくレイアウト IMG_0492

コンパクトデジタルカメラのW(ワイド側)を使います。デジタル一眼カメラも広角レンズを使うと、ダイヤモンドのような輝きの光芒表現ができます。この日は山中湖が凍った時でした。(作例A 31mm f22 1/200秒)

②太陽を画面の中央に

作例B作例B IMG_0170

太陽を画面中央に置くと環状のゴーストが偶然現れることがあります。レンズの種類によっては、色や線が異なって出てきます。(作例B 105mm f22 1/1250秒)

③強風の日の湖面

作例C作例C IMG_0485

風が強い日は湖面に波が立ち、太陽の反射が広がります。その湖面の輝きを意識して、太陽からのゴーストをあえて画面作りに入れました。(作例C 90mm f32 1/125秒)

④山中湖での撮影時期

作例D写真D IMG_0185

写真Dは二月二十二日の撮影状況です。太陽が日ごとに右側に沈んでいくこの時期、湖面の反射にこだわるなら、この日が撮影の終わり頃といえます。

写真の豆知識 パソコンで管理する

デジタルカメラの画像データをパソコンに保存している方には、外付けHDD(ハードディスク)に保存することをお勧めします。パソコンの不調で、貴重な画像を失う恐れがあるからです。さらに同じデータを外付けHDDにバックアップ用として保存しておけば安心。セキュリティソフトが導入されていればさらに安心です。
フォルダーの名にはまず「2016-10-01」のように西暦、年月日をアラビア数字で表示すると、自動的に並べ替えをしてくれます。そのあとにキーワードを並べておくと、後から検索がしやすくなります。撮影場所のほかにも、例えば、「富士山ダイヤモンド光芒夕景ススキ飛行機雲彩雲」のように、スペースをあけず、カンマを使わずに並べてもあとで検索が可能です。

著者プロフィール
光川十洋(みつかわとうよう)
日本大学芸術学部写真学科を卒業し、学研で編集・創作分野を歴任。クラブツーリズムやカルチャーセンターなどで写真講座やバス撮影ツアーの講師を。本誌『アルク』表紙や『週刊女性』『獣医畜産新報(JVM)』など連載中