第13回「小さな春の息吹を見つけよう」

ウォーキングをするときは、おのずと目がキラキラしてきます。特に春を迎えて、木々が新しい形と色を見せるときは、思わず立ち止まることもしばしば。寒い冬を越えて、隠されてきた生命力が顔を出す姿には、元気をもらえます。春の息吹の姿もさまざま……雪から顔を出すフクジュソウ、葉を出す前に咲く多種の花木、広がる小枝にびっしりついたネコヤナギなどの花穂、一面に広がった枯葉のあちこちからムックと顔を出す緑の新芽、街中の街路樹のヤナギの緑色に揺れる姿…。どこを歩いても新芽や幼葉が笑っているようです。カメラを持ってウォーキングしてみましょう。道の左右、上下に目を投げかけると、アングルや春光を意識しだし、「感動発見!」間違いなしです。今回は特に、「小さな春の息吹」を見つけてみましょう。

作例A

作例A

地面を愛でる
ウォーキングの途中で休憩をとるときは、しゃがんで見ることをお勧めします。公園でも近郊の林でも、秋にたくさん落ちたドングリが、芽を持ち上げている姿を見つけることができます。作例Aには、桜の花びらとドングリの殻が写っています。二つに割れた果実につながって、新芽がすっくと天に向かっています。コンデジでも近づいて撮影できます。この時、背景を意識してください。作例では、芽が目立つよう暗い部分を背景に選んでいます。

作例B

作例B

カラマツ林を歩くと
カラマツは漢字で書くと、落葉松。松は常緑樹で緑色の葉を見せて冬を越しますが、カラマツは前年秋に葉を落とし、春が来ると一斉に新芽を噴き出します。カラマツ林を遠くから見ると、無彩色の林に緑のペインティングをしたかのようで壮観です。このような木を見つけたら、あえて幹に近づいてみましょう。作例Bでは、太い幹の表皮から、小さな幼葉がポッと音がするように顔を出し、謳歌しているではありませんか。撮影時には、アングルを考え、少しマイナス補正すると、緑色が淡くならずに写すことができます。

作例C

作例C

生命力
 郊外や林の中といった大自然を歩くと、自然の営みに遭遇します。作例Cの場面はめったにない現象。枯れ木に空いた穴からの芽生えです。「感動発見!」です。小さな春の息吹です。コンデジのズームはT(望遠側)を使うと、背景をぼかす描写ができます。デジタル一眼カメラも同様ですが、絞りを開け気味(f値を小さめ)にすると、背景をぼかすことができます。

作例D 作例D

思わぬ遭遇
渓流沿いを歩いていましたら、細い木が倒れて、水流の上に横たわっていました(作例D)。
なんと! 幹の途中に新芽が出ていて、さらに同じところから、根も出ているではありませんか! 水しぶきを浴びて、生きようとしている姿です。撮ろうと思ってもめったに出会わない被写体との遭遇です。背景の水の流れが出るように、少しゆっくりのシャッタースピードで撮影しました。