第14回「雨を楽しむ」

また梅雨の季節がやってきますが、今年は雨を楽しんでみませんか? ウォーキングの際は雨が降らないことを願うものですが、降る以上は、これをカメラワークで楽しむことを考えました。携帯でもコンパクトデジタルカメラでも、手軽に撮影できれば雨中の散歩も楽しいもの。また、遠方に出かけて雨に遭遇すると、珍しい場面をものにできることがあります。普段と違った現象に感動し、また当たり前と感じていた情景にも、新鮮な発見が期待できます。

水滴がきれい

散歩道や公園などで、ちょっとしゃがんで見ましょう。草の葉、花、小枝の先に水滴がついています。近づいて観察すると、向こうの景色が逆さになって映っています。作例Aは、ヒマワリの花びらについた水滴に小さく並んだヒマワリの姿が映りこみ、まるでラインダンスのようです。
カメラやレンズの種類によっては、ごく近くのものが撮影できます。ご自分のカメラの近接撮影の距離を知っておくと撮影意欲も湧きます。レンズ交換ができるカメラの場合は、マクロレンズが威力を発揮します。注意することは、近いものを撮るときは、ISO感度を上げて、速めのシャッタースピードで撮ること。ぶれにくくなります。

作例A
作例A

霧は幻想的な雰囲気をつくる

渓谷などに行くと、またとない場面に出合うことがあります。6月の時期は、新芽が出た緑色の世界を霧が包み込んでくれると、ラッキーチャンス。作例Bは、奥多摩の氷川渓谷です。霧雨を背景に、渓谷の岩の重なり、木々の織りなす遠近感、大自然の空気感が、幻想的な雰囲気を醸し出しています。わずかにプラス補正をすると、霧が明るく写ります。絵柄がはっきりしない所ではオートフォーカス(AF)がうまく作動しない場合がありますが、この場合は、マニュアルフォーカス(MF)を使います。

作例B
作例B DSC_0195c

降る雨をとらえることに挑戦

雨が降っている時に、カメラ内蔵のフラッシュ(ストロボ)を発光させてみましょう。「強制発光」を選べば、明るい時でもカメラの前の雨滴がキラリと光って写ります。カメラとの距離で、雨滴にピントが合わないおかげで、円形のぼけとなって表現されます。虹色に輝くこともあって、思わず「やったね!」と嬉しくなります。作例Cは、忍野八海の湧水池のオレンジ色のニジマスと緑色の藻、曇り空の背景に雨滴が光った情景です。「感動発見!」となりました。

作例C作例C IMG_0151c

こんなことが!!

尾瀬ヶ原で雨に出合った人も多いでしょう。黙々と歩く途上、なんと同行者のリュックにトンボがとまっているではありませんか。激しく揺れる濡れた場所でもじっと動きません。人間が近づいても飛び去らず、撮影後も相変わらずリュックに止まったままでした。
雨のおかげで、私たちも楽しむことができました。慌てて撮影する場合もあるので、カメラの設定をオート機能が使えるようにしておくと、タイミングを逃さずに撮影できる可能性が高まります。

 

作例D

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写真の豆知識 雨の日対策

カメラのような電子機器は、濡れることに弱いもの。もちろん体にも雨対策は必要です。ポンチョは、傘をさしての撮影の際、リュックを背負う、バッグを携帯するなど、体を斜めに動かしても安心です。また上下に分かれたレインスーツは防水性のある透湿素材(ゴアテックス等)を選べば、汗を放出する機能もあるので便利です。五cmくらいの水深に対応できる靴も普及しています。
カメラにはレインカバーを付け、防水タイプのバッグを準備し、さらに乾いたタオルでカメラをくるむことも対策になります。使用後はバッテリーを抜いてよく拭きとった後、乾燥剤を使って保管すると、トラブルやカビ防止となります。雨対策を十分して出かけましょう。

著者プロフィール
光川十洋(みつかわとうよう)
日本大学芸術学部写真学科を卒業し、学研で編集・創作分野を歴任。クラブツーリズムやカルチャーセンターなどで写真講座やバス撮影ツアーの講師を。本誌『アルク』表紙や『週刊女性』『獣医畜産新報(JVM)』など連載中