第18回「フラッシュの応用」

カメラを持って、旅行に行ったり、ウォーキングをしたり、日常の外出でもカメラを携帯する時があります。コンパクトデジタルカメラは小さく軽いので、オートで手軽に写してくれます。内蔵のフラッシュ(ストロボ)は、暗い場面では自動発光してくれますが、日中の明るい場面で利用すると、格段に仕上がりがきれいになることがあります。カメラの設定で、フラッシュの「強制発光」を選択するだけで、シャッターボタンを押すと必ずフラッシュの光が出て、その場の状況をカメラが判断し、光の量を調整してくれます。デジタル一眼レフカメラやミラーレスカメラでも内蔵のフラッシュを活用することができます。光の量をたくさん使う場合は、外付けフラッシュも用意されています。
では、どんな場面で、どのような効果があるのか、具体的な作例で、説明しましょう。

太陽光が期待する方向にない時

記念写真を撮るとき、よく太陽を背にして、と言われます。これを順光と言います。顔に影を作らないからですが、背景に写したい風景や建物があると、斜めからの光になったり、太陽に向かってカメラを向けることも出てきたりします。後者は逆光と言いますが、作例Aのケースです。背景に海を入れたいのでサルと太陽の位置関係では逆光状態になってしまいます。カメラのオートで撮影すると、背景はきちんとした明るさで写りますが、サルの影部分が暗くなってしまいます。この場合にはフラッシュの強制発光を行えば、顔の表情がしっかり写ります。

作例A

作例A

花を撮るときに

花を撮る場合は、順光、逆光、その中間の反逆光など、さまざまなアングルで撮ることをお勧めします。花びらの表情が美しく表現されますが、濃い色の花を逆光で撮る場合、フラッシュを強制発光したものも撮ってみてください。作例Bは、ザゼンソウですが、花びらの色が暗褐色で濃く、肉厚でもあるので、中はかなり暗く、花軸がよく写りません。この時にフラッシュの強制発光はとても効果的です。近くで撮ることが多いので、人工光が効きすぎたと感じた場合は、ティッシュを一枚、あるいは二枚フラッシュにかぶせて、好きな効果を選んでください。

作例B

作例B

スナップなどの人物撮影

スナップ写真の場合は、被写体に合わせて自分が動きます。太陽光を味方にしたくても、自分が逆光の位置にいると、被写体の人物が暗くなってしまいます。この時にフラッシュの強制発光を利用します。作例Cは、日本万歩クラブの準大会「ミナト横浜ウォーク」の例会で神奈川台場跡を訪れ、リーダーさんから説明を聞いている場面です。「神奈川宿歴史の道」の文字がはっきり写っています。

作例C

作例C

降る雪を表現する

作例Dをご覧ください。降ってくる雪に向かって、フラッシュを発光すると、空中の雪が白く輝きます。フラッシュの発光時間はごく短いため、雪が止まって写ります。テレ側(T)で撮ったり、望遠レンズで撮ったりすると、ボケが大きく写るようになります。さらに大きなボケを期待したいときは、絞り優先で絞りを開けるようにします。

作例D

作例D

写真の豆知識 手ぶれ

写真を見たときに、「ピントがあっていないな」と感じることがあります。今はオートフォーカスがかなり進化しているので、普通ははっきり写ります。ある方向に二重に見えるように感じられる場合は 「てぶれ」なのです。カメラぶれとも言いますが、シャッターを押したときに、手が動き過ぎ、カメラに伝わって、画像がはっきりしない状態です。ワイド側(W)よりもテレ側(T)のほうが発生しやすいので、伸ばした手を少し縮めたり、わきを軽く締めたりして、カメラを動かさないように心がけます。
内蔵のフラッシュを使った場合は、てぶれも軽減したように見え、被写体が動いていても止めることができます。手ぶれ防止機能の付いたカメラ・レンズ活用もおすすめです。
※ワイド側とはズームの焦点距離が一番近い(小さい)とき、テレ側は一番遠い(大きい)とき。(例)オートフォーカスでズームするとき、50-200の幅ならワイド側30㎜/テレ側200㎜となる。

著者プロフィール
光川十洋(みつかわとうよう)
日本大学芸術学部写真学科を卒業し、学研で編集・創作分野を歴任。クラブツーリズムやカルチャーセンターなどで写真講座やバス撮影ツアーの講師を。本誌『アルク』表紙や『週刊女性』『獣医畜産新報(JVM)』など連載中。