体力測定

足がぶるぶる震え、グラッと体が揺れる。ヤバい…!もう駄目かもしれない。いや、あと二十秒だ。頑張れ、オレ!あ~、でもキツいな。こんな簡単なことが、なぜできないんだ。体ってホント奥深い。

 自分と必死に闘う私の前で、清潔感あふれるさわやかな青年がストップウォッチを手に微笑んでいる。あと五、四、三、二、一…よっしゃあ!八十秒クリア。安堵の息をつき、左足を床に下ろす。しかし、テストはまだ始まったばかりだ。気を引き締めながら自分のイスへと戻る…とちょっとアスリートっぽい雰囲気を醸し出してみたが、やっていたのは単なる片足立ちである。

 万歩クラブの恒例行事「健康ウオーク」。東海大学生涯スポーツ学科の久保田晃生教授とその教え子のみなさんの協力のもと、実践的かつ健康的な「歩き方」を学んでいくプログラムで、そのメニューの一つに体力測定がある。握力、イス立ち上がり、開眼片足立ち、五㍍ウオークの四種目で参加者の現状の基礎体力を調べていく。今の自分の体力を知ることができるのはありがたいのだが、参加する会員のみなさんよりも私のほうが十五~二十歳ほど若いというのはプレッシャーだ。別に競争でもなんでもないのだが、つい負けたくないと力が入り、硬くなる。

 片足立ちの次はイス立ち上がり。座って立ち上がってを十回くり返し、その時間を計る。八秒を切れば年齢のわりに優秀だったのだが、二回目でバランスを崩し、あえなく十秒オーバー。私のあとでトライしたご婦人が七秒というとてつもないタイムを叩き出し度肝を抜かれる。

 五㍍ウオークでは速さを測ったあと、撮影した動画をもとに歩行姿勢のチェックも行われた。姿勢にばかり気がいきすぎて、歩みが遅くなり速度年齢六十三歳と診断される。「いやいや、わざとゆっくり歩いたからもう一回やらせて!」と心の中で叫ぶが後の祭りだ。

 体力の衰えを最も端的に示すという握力も、四十㌔にわずかに届かずショック。週に一度のウオーキングで健康かつ体力的にも若返ったような気がしていたが、座りっぱなしで暮らしたこの数十年のツケは、確実に体に回っていたようだ。

 午後から久保田教授によるきれいな歩き方講座や松下宗洋先生によるロコモティブシンドローム(運動器症候群)予防講座を拝聴し、プログラムは終了。

 印象的だったのは、サポートしてくれた学生たちの健やかで気持ちのいい顔つきと佇まいだ。彼らの存在に、体と運動を意識して暮らすことの大切さを教わった気がする。

(まいた・ようへい=芸能ライター)