直射日光避け街歩き

 バスタ新宿三十九の都府県を結ぶ日本最大の高速バスターミナル。やはり若者の姿が目立つ。おじさんには長時間のバス移動はキツイが、体力のある若者たちにとっては、飛行機や新幹線よりずっと安価な長距離バスは魅力的な移動手段なのだろう。路線は多岐にわたっており、出発時刻を表示する電光掲示板はまるで国際空港のようだ。

 連日災害級の猛暑が襲ったこの夏。ニュースでは人がバタバタ倒れるさまが報じられ、天気予報はホラー映画の予告編のように私たちを脅しにかかる。この暑さの中、街歩きは無謀でしかない。が、そこはさすが万歩クラブ、ちゃんと考えている。「今回は暑熱対策のコースですよ」と金子眞佐雄リーダーが語るように、この時期は社会見学の例会が数多く行われるのだ。

 館内にある東京観光情報センターに入ると、着物姿の女性スタッフが出迎えてくれた。主に外国人観光客に向けた旅行案内をしているそうで、英語、中国語、韓国語で対応してくれる。イベント情報も充実しており、ここで訪れる場所を決めて、バスで現地に向かう外国人観光客も多そうだ。

 バスタ新宿を出ると凶暴な太陽が照りつけてきた。逃げるように地下へ。地下道から向かうのは東京都庁舎。あの威容を見上げたことは何度もあるが、中に入るのは初めてだ。

 一階にはやはり東京観光情報センターがあり、現在都内で行われているイベント情報がほぼ網羅されている。逆側は全国観光PRコーナーで、全国津々浦々の情報が集まっている。もちろんチラシや冊子は外国語に翻訳されている。二階には東京オリンピック・パラリンピックのPRコーナーがあり、本物の聖火のトーチを手にした写真撮影もできた。実際に持つと結構重く、掲げながら走るのは相当キツいなと実感。いっぽう会員さんたちは「お、まだ締め切り前だ」「あんた、走れるのかい?」などと軽口を叩きながら、聖火ランナー応募要項に真剣に目を走らせている。さすが若い!

 外向けの都庁の役割は“東京の今”を発信することなのだ…と確信したのは四十五階にある展望室に入ったとき。何と客の八割が外国人だ。みんな、ガラスにへばりついて地上二百二㍍からの大パノラマを食い入るように見つめている。喜色にあふれたさまざまな外国語が飛び交う。

 新宿に来れば、東京の、そして日本の今がわかる―観光立国を目指すならこういう場所は大事だ。そういえば、今最も外国に訴求力がある映画『天気の子』の舞台も新宿である。

今回6364歩 距離約4km

(まいた・ようへい=芸能ライター)