非日常の横須賀

 ウオーキングを始めて十カ月。さまざまな道を歩いて、自分なりの好みも分かってきた。非日常感と自然。そういうものを感じられる道が、私は好きらしい。横須賀の海沿いを歩いた今回は、まさにドンピシャ。ほどほどにキツく、とても充実したものとなった。

 JR横須賀駅のすぐ近くにあるヴェルニー公園。横須賀港に面したボードウオークを歩いていると、対岸に何か真っ黒な巨体が浮かんでいる。潜水艦だ!初めて見たが、でかい背びれのあるクジラのようだ。興奮していると、岡村三千男リーダーが「軍港だから米軍のイージス艦が見られたりもしますよ」と教えてくれた。いきなり非日常の世界に引き込まれ、ワクワクしてくる。

 米軍基地の脇を抜け、三笠公園に入る。ここには大日本帝国海軍の戦艦「三笠」が保存されている。歴史上の軍艦と現役の兵器である軍艦の両方を見て、あらためて横須賀という街の特殊性に気づかされる。ここは基地の街なのだ。そういえば、通りの看板はほとんどが英語表記だった。

 ゲリラ豪雨に二度遭うなど不安定な空の下、猿島を眺めながら海沿いの道を行く。うみかぜ公園を抜け、海辺つり公園で昼休憩。横須賀は海岸の多くが公園として整備されており、釣りやハイキングを楽しむ家族連れも多い。「うみかぜの路」と呼ばれる十㌔にわたるプロムナードの後半、馬堀海岸から観音崎に至る道に入ると、風景も変わってきた。

 青い空に重量感たっぷりの夏雲が浮かんでいる。左側に群青の海が広がり、右側にはヤシの木が等間隔に並ぶ。上半身裸の外国人青年が汗で肌を光らせながら走ってくる。南国リゾートのような景色のなか、ひたすら真っすぐな道が続いている。

 なんだこの爽快感!ただ、道は果てがない。ゴールの観音崎は見えているのに全然近づいてこないのだ。一㌔ほど歩き、まだ半分しか来ていないと気づいた瞬間、へばった。そんな私とは対照的に、女性メンバーさんたちはタフだ。雨傘を日傘代わりにして、太陽が照りつける道を楽しそうにおしゃべりしながら歩いていく。

 その夜、風呂に入ろうと服を脱いだら、肌にTシャツの跡がくっきり。真夏を過ぎてから、まさかの初・日焼けである。

今回2万735歩 距離約13km

(まいた・ようへい=芸能ライター)