聖地巡礼~上田市(前編)

 「聖地巡礼」という言葉がある。元来は宗教用語だが、日本では主にアニメや漫画の舞台となった地にファンが赴くことを指す。徒歩で巡る場合が多いので、ある種のウオーキングともいえる。鬼編集のオニタ氏から「マイタさん独自のテーマがある回もほしい」と言われていたので、自分的聖地巡礼を中部遠征に組み込もうと考えた。それが今回の長野県上田市「サマーウォーズ」の聖地巡礼だ。

 「サマーウォーズ」は数々のヒットアニメを生みだしている細田守監督が二〇〇九年に発表した映画で、十年たった今でも青少年たちに愛され続けている名作だ。実は私、この作品をノベライズ(小説化)しているのである。舞台となっているのが長野県上田市。が、小説で描写しているにもかかわらず、私、上田市に足を踏み入れたことがなかった…。

 上田市に到着し、うろこ雲で覆われた秋空の下、まずは上田市観光会館へと歩を進めた。繁華街を貫く舗道には真田家関連のパネルが設置され、ここが真田家の城下町だということを猛烈にアピールしている。観光会館に入ると馬に乗った真田幸村像に出迎えられる。その隣には「サマーウォーズの里 信州上田」の幟。真田幸村と肩を並べるのかと感激。一角にはコーナーも設置され、細田監督直筆のイラストが描かれた聖地巡礼用ノートが置かれている。

 「もともと上田市は街全体を映画のロケ地化しようという観光戦略を進めていたので、『サマーウォーズ』の舞台が上田と知ったときから協力体制はできていました」と信州上田観光協会の佐藤宏治事務局長。十周年の今年の夏は街を挙げてさまざまな記念イベントが開催され、大勢のファンが上田を訪れた。

 「夏祭りの上田わっしょいに毎年サマーウォーズ連が参加していますし、市民に根づいた作品になっているんです。上田を舞台にした多くの映画の中でも特別な作品になっています」とイベントの指揮をとった事務局員の西沢進也さんも胸を張る。

 実写映画を中心とした観光戦略をとっていた上田市にとっては、アニメの聖地巡礼パワーを実感させられた作品でもあるそうだ。お二人からレクチャーを受け、さあ聖地巡礼に出発!

今回1628歩 距離約1km

(まいた・ようへい=芸能ライター)