聖地巡礼~上田市(後編)

 「サマーウォーズ」聖地巡礼を開始し、まずは上田城跡公園へ。真田昌幸が築城し、徳川の大軍を二度退けた名城である。映画に登場する陣内家は真田家がモデルで、上田城の東虎口櫓門が陣内家の門として描かれている。初めて見るのになつかしいなぁという感慨に浸れるのが聖地巡礼の面白いところだ。

 立派な城門を民家の門として描いちゃうのはアニメならではだが、物語自体が陣内家のマンパワーで世界を救うというものなので、そのスケール感を出すにはこのくらいの表現が必要なのだろう。それがリアリティーを損なわないのは上田という街ゆえか。この後に訪れた上田高等学校は上田藩主居館跡に建てられ、校門は館の表御門がそのまま使われていた。歴史が現代へと脈々と息づく…そんな街なのだ。

 眞田神社、上田市役所と映画ゆかりの場所を巡ったあと、私たちが足を延ばしたのが上田映劇という映画館。「サマーウォーズ」とは関係ないが、今回のテーマにふさわしいのではと観光協会の佐藤事務局長に勧められたのだ。

 映画館手前の通りに掲げられた「花やしき通り」の看板にまず「?」となる。そして、上田映劇には「雷門ホール」という看板が…。実はこの映画館、劇団ひとり監督の「晴天の霹靂」という映画のロケに使用されたのだが、その装飾を残したまま営業を続けているのだ。

 「街の外観を変えてもいい。製作側の要望はすべて受け入れるのが、上田がロケ地としてよく使われる理由だと思います」(佐藤事務局長)。上田が舞台でなくても、この地で撮影された作品は数多くある。上田市民が「映画の街」と誇るのはそういうことなのだ。

 街なかをひと通り巡り、最後に陣内家の所在地として設定された砥石・米山城跡へ。普通は車で行く距離だが、もちろん私たちは歩きだ。一時間ほどで山城への登山口に到着。ここから七百㍍ほど登れば米山城跡、されに八百㍍ほど登ると砥石城跡がある。そこから上田市街を一望できるので、写真に収めて旅の終わりにしようと思っていたのだが…山道がガチすぎて洒落にならない。

 整備されていない険しい道に時間と体力を削られ、青息吐息で米山城跡に着いたときには、すでに前に進む気力はなくなっていた。帰りの電車の時間もあり、砥石城跡行きは断念することに…。聖地巡礼でこの山まで行こうと考えているファンの方へ。登山靴は必須です!

今回2万907歩 距離約13.5km

(まいた・ようへい=芸能ライター)