いざ、関ヶ原!(前編)

「関ヶ原陣跡制覇ウォーキング」は岐阜県関ケ原町の公式イベントで、毎年九月に開催される人気の大会だ。約千五百人ものウオーキング愛好家や歴史マニアたちが関ケ原の戦いの古戦場跡を巡り歩いた。

 「万歩道」では、養老編と上田編の二度、ウマ村事務局長との中部遠征珍道中を書いたが、実はこの関ヶ原ウオークがメインイベントだったのだ。ちょっとした登山も含んだ約二十㌔のロングコース…ウオーキングを始めてそろそろ一年の成果を試すには絶好の機会ということで臨んだ。いざ、関ヶ原!

 朝八時半、スタート地点の関ヶ原ふれあいセンターには甲冑姿のスタッフさんもいて、気分が盛り上がる。各チェックポイントにはその場にちなんだ武将に扮した方々がおり、記念写真を撮ってもらえるのだ。役づくりも完璧で役者さんかなと思いきや、みな町民のボランティアということで恐れ入る。

 一緒に歩いている人の中にも兜をかぶった女性がいたり、戦国Tシャツ姿の人がいたりと普通のウオーキングイベントとはひと味違う雰囲気。交わされる会話も「ここで黒田長政が…」というような関ヶ原ウンチクであふれている。歴史マニアにとっては関ヶ原という町全体が聖地のようなものなのだろう。

 電柱には石田三成や島左近など関ヶ原に縁のある武将たちのエピソードが貼られていて、町を挙げての古戦場アピールもしっかり。東首塚や松平忠吉・井伊直政陣跡にはかわいい小学生のガイドさんがいて、ここでどんな戦いが起こったのかを元気いっぱいに解説してくれた。

 主催する関ヶ原町地域振興課の小林孝正氏は「学校の授業でも関ヶ原の戦いに関しては丁寧に教えますし、小学四年生の時には甲冑を手作りして行列するイベントもあります。そんなふうに子供の頃から関ヶ原が日本の歴史の転換点だったと学ぶことで、この町への誇りを抱いてほしいんです」と話す。

 と、前方に真っ赤な陣羽織姿の女性を発見。小早川秀秋(役の甲冑ボランティアさん)だった。毎年、この格好で全陣跡を踏破しているそうで、道行く人からも次々と声をかけられている。一足先に陣跡の松尾山に行きますと別れたのだが、この松尾山がとんでもなかった…。

今回1万896歩 距離約6.5km

(まいた・ようへい=芸能ライター)