伝説のトキワ荘編

 手塚治虫、藤子不二雄、赤塚不二夫…言わずもがなの昭和の巨匠漫画家たちだが、高校一年生の息子の本棚には彼らの作品が現在の人気漫画「ワンピース」や「進撃の巨人」の横に並んでいる。息子の漫画体験は私同様に彼らの作品からスタートしているのだ。私は彼らの作品から人生に大切ないろいろなことを教わった実感があるから息子のことも信頼している。血がつながっているからではない。同じ漫画を読んできたからだ。

 彼らが若き頃、共に暮らし、漫画制作と格闘した二階建ての木造アパートが「トキワ荘」。池袋の隣の椎名町にあったが、老朽化のため一九八二年に取り壊された。今や伝説の場所となったトキワ荘を再現した記念館が、来年三月にオープンする。その周辺を歩いた。

 西武池袋線・椎名町の駅に着くや「サイボーグ009」などトキワ荘ゆかりの漫画家作品の看板に出迎えられる。町全体が“漫画の聖地”をアピールしている。数々の藤子漫画に登場する「ラーメン大好き小池さん」(アニメーターの鈴木伸一さんがモデル)のモニュメントが置かれた公園を抜け、記念館が建てられる南長崎花咲公園へ。

 工事中の建物を見ることはできないが、トキワ荘の模型と漫画家たちの似顔絵を飾った記念碑がある。公園はトキワ荘通りに面し、跡地もすぐ近く。昔、ドラマ「まんが道」で見たあの場所かぁ~とやはり感慨深い。

 近くに豊島区の休憩・案内施設「トキワ荘通りお休み処」があり、ゆかりの漫画家の作品を読むことができる。二階には当時の部屋の様子を再現した四畳半の展示も。万歩メンバーさんたちの「昔はみんなこんな感じだった」という声に、レジェンドたちと同じ時代を生きてきた人たちなのだと尊敬の念を新たにした。

 「私、この人と同い年だわ」と赤塚不二夫のプロフィルを見ながらご婦人がつぶやく。一九三五年生まれ…って今、八十四歳⁉ 恐れ入りました。

今回8644歩 距離約5.5km

(まいた・ようへい=芸能ライター)