日本橋七福神めぐり編

 年が明けた。時には道に迷いながらも、てくてくと地道に歩いてきたわが万歩道も二年目に入る。年の初めにあらためて思うのは、歩くというのは「視点を変える」ということである。一歩進むことで目に入る景色が少し変わる。万歩進めばガラリと変わる。新しい景色の中に立つと自然に新しい思いや考えも浮かんでくる。それが面白い。自分をこうだと決めつけるのではなく、節操なくコロコロと変わっていく自分を楽しめる…今年もそんな一年になればいいなと思う。

 「七難即滅七福即生」。七福神の由来となったお経の文句だそうだが、なんてキャッチ―なコピーだろう。嫌なことはソッコーなくなり、楽しいことがソッコー生まれる。この楽観的な感じがいい。全国にさまざまな七福神の札所があるが、最もこのコピーにふさわしいと思うのが、今回紹介する「日本橋七福神めぐり」だ。約六百㍍四方の範囲に七つすべての札所が収まり、日本一短い時間で七福神巡りができるのだ。まさに七福即生のスピード感である。

 起点の水天宮で御朱印帳を購入し、さあ出発! 昨今、若者たちの間でひそかなブームとなっている御朱印集めも目的の一つである。神主さんが厳かに書いていくのかと思いきや、御朱印帳を販売する巫女さんがその場でスラスラと書いてくれる。まだあまり書き慣れていないのか、ややおぼつかない手つきなのが新鮮だ。

 日本橋七福神は水天宮以外は小さな神社ばかりで、街の中にひっそり立つという感じ。小学生の頃に書道を習っていた私は書を見るのも好きだから、御朱印帳に個性豊かな文字が並んでいくのがうれしい。

 毘沙門天の末廣神社の書が特にカッコ良くて、思わず巫女さんに話しかける。やはりここ五年くらいで御朱印集めをする人は増えたそうだ。特に大きな変化は子供が来るようになったこと。以前は全くいなかったそうだが、最近はスタンプラリー感覚で御朱印をコレクションする子供が多いのだとか。

 確かに七福神を巡り終えた時の達成感はなかなかのもので、コンプリート(完成)した御朱印帳を開き、ついついニンマリしてしまう。所要時間はわずか一時間二十分だった。

 実は、七福神には日本の神様は恵比寿様しかいない。ヒンズー教に仏様に道教と外国の神様たちが一緒になって福をもたらしてくれるのだ。まるでラグビー日本代表のワンチームのようで、これもまた日本らしい。

今回5139歩 距離約3km

(まいた・ようへい=芸能ライター)