第3回「水を印象的に撮る」

夏のウォーキングのコースには、水辺も多く含まれます。池への映り込みに感動したり、滝のしぶきを味わったり、渓流の流れと爽やかな音に、心まで洗われる思いがします。ふと立ち止まり、森林浴を堪能していると、にわかに写真を撮りたくなりますね。 滝の前で記念写真を撮ったら、少し工夫をして、印象に残る滝の流れを撮ってみませんか。水面の映り込みに感動をしたら、カメラで「感動発見!」してみませんか。
水は造形的な模様を作ります。さまざまなシーンで、水を印象的に撮ってみましょう。ウォーキングには、いつもカメラをお伴に。

①滝の流れを描写する

作例A

作例B

コンパクトデジタルカメラなどで、オートのまま手持ちで滝の流れを撮ると、滝の流れが止まって写ります。これはぶれない程度の速いシャッタースピードで撮るために、やむを得ないことですが、カメラを岩の上に置いたり、木に寄りかかりながらカメラを構えて撮影すると、よりゆっくりのシャッタースピードで撮ることができます。この場合、水の動きがつながって、水が流れたようになり、滝らしい表現ができます。
作例Aは、1/6秒で表現した「白糸の滝」です。この時は三脚を使用しました。1/30秒で撮ると、作例Bのように、〝毛糸の滝〟のように写ります。シャッタースピードをいろいろ変えて撮るのも、楽しい経験です。

②風が見える

作例C

歩いていると、風を感じることがよくあります。風そのものは見えませんが、カメラを持つと、その風を〝見る〟ことができます。池の水面を観察していると、風がさざ波を立てていることに気が付きます。作例Cでは、風がさざ波を立てた瞬間に、太陽の反射が生じて、美しくしかも丸く光りました。カモたちが風上に体を向けていることにも気づきます。大自然の中の沼や湖でも、水面への映り込みなどにカメラを向けて楽しんでみましょう。

③雨はチャンス

作例D

雨が降ってきて、いやだな、と思う時があります。つい家の中に、という気持ちになりますが、カメラを持ったら雨はチャンス到来となります。作例Dは、雨が降り始めたので、竹林に行きました。乾いた竹の表皮が、この後雨に濡れていこうとする〝一瞬〟です。こんな想定外の出合いもあるので、「いやだなからぼたもち」ですね!

写真の豆知識 自分好みの設定

コンパクトデジタルカメラのオート機能は優秀ですが、自分好みの設定を決めると、より楽しさが増します。1.クローズアップ……ズームを望遠側にして、オートフォーカスでどこまで近づけばピントが合うのか確かめましょう。近づいて大きく撮影する経験ができると、撮影が快適になります。2.マニュアルフォーカス(MF)……ふだんはオートフォーカス(AF)を活用していても、自分なりのポイントにピントを合わせたいことがあります。コンパクトデジタルカメラの場合は、設定に手間取る機種が多いので、あらかじめ取扱説明書を読んで練習しておきましょう。3.露出補正……マイナス補正、プラス補正を試みてみると、思ったようなきれいな画調に近づけることができます。カメラが測った明るさと自分の期待する明るさとのずれをなくす方法です。

著者プロフィール
光川十洋(みつかわとうよう)
日本大学芸術学部写真学科を卒業し、学研で編集・創作分野を歴任。クラブツーリズムやカルチャーセンターなどで写真講座やバス撮影ツアーの講師を。本誌『アルク』表紙や『週刊女性』『獣医畜産新報(JVM)』など連載中。