第5回「イルミネーションを魅力的に撮る」

冬の季節には、イルミネーションがたくさんの人出を誘います。最近では、LEDイルミネーションが主流となって、数多いきらめきが街を飾るようになりました。また、テーマパークも毎年新しい演出をして、ますます魅力的でおとぎ話のような世界が展開されます。広大な土地をたくさん歩きまわって、寒さを吹き飛ばしたいものです。ここで美しい世界をカメラで撮ってみましょう。最近のコンパクトデジタルカメラは、暗いところでもよく写るようになりました。シーンモードの中にある「夜景」を選択し、三脚などで動かないようにして撮影してみましょう。デジタル一眼カメラをお使いの方は、遊び心を発揮して、楽しい表現を体験してみませんか?

①魅力的な被写体とともに

作例A

夕方の空が暮れなずむころ、色のグラデーションが美しさを発揮しています。点灯されたかわいらしい世界とこの背景を組み合わせてみませんか。作例Aは、日が沈んだ後に、空が彩度と濃度を少しずつ変えていくところです。街中ではビルの壁面と窓、そして空にいろいろな色彩が見られます。太陽の影がなくなってから、空が暗くなる前は“マジックアワー”と呼ばれて、オレンジ色の世界、薄明かりの青い空間を堪能できます。マイナス補正をすると、いっそうトワイライトのムードとなります。

デコレーションには近づいて観察

作例B

クリスマスツリーや飾り付けられた場所では、近づいてゆっくり鑑賞してみましょう。光を反射するデコレーション、透けたデザインなどに気がつきます。カメラで近づいて撮影する場合、カメラが近づきすぎるとピントが合わず、シャッターが切れないことがあります。また少し明るめに撮影すると輝きがきれいに感じます。この場合は、プラス補正をします。デジタル一眼カメラの方は、三脚を使い、絞りを絞って撮影すると、たくさんの場所にピントを合わせることができます。(作例B)

フィルターを活用して

作例C

コンパクトデジタルカメラには、本体にデジタルフィルターを搭載している機種もあります。アートフィルターとかクリエーティブフィルターなどと呼ばれている機能ですが、さまざまな輝きや色彩の強調をすることができます。デジタル一眼カメラは、レンズの前にフィルターを付けるといろいろな効果が得られます。作例Cは、クロスフィルターを付けて撮影したものです。黒いイスの表面が反射するので、個性的な描写ができました。

④ズームレンズを活用

作例D

デジタル一眼カメラのズームレンズを活用します。ズームリングを回転させると、広角から望遠まで撮る範囲が変わります。作例Dは、5秒間の露光の時、ワイドレンズで3秒間、途中でズームリングをすばやく回して望遠で1.5秒間で撮ったものです。ハート型に並べたキャンドルの灯りが二重になったように写りました。動かしたときに中央から周辺に光跡が写ります。

写真の豆知識 レンズの基本知識

コンパクトデジタルカメラは、焦点距離が短く、口径の小さいものが使われているので、ピントが前後でよく合います。ズーム機能がありますので、Wでは広く撮ることができ、Tでは遠くのものをアップで撮ることができます。絞りを16に、と思っても8くらいまでしか絞れません。
デジタル一眼カメラでは、レンズ交換ができます。標準ズーム、望遠ズーム、マクロレンズなど。例えば、標準ズームで、24~105㎜F4の場合、24㎜側を広角(ワイド)、105㎜側を望遠(テレ)といい、ズーム比は105÷24で、約4.4倍です。開放絞り値はF4で、これをレンズの明るさといいます。開放絞り値を使うと、ボケは円形になります。広角側で最小絞りを使うと、「回折現象」で甘い描写になります。

著者プロフィール
光川十洋(みつかわとうよう)
日本大学芸術学部写真学科を卒業し、学研で編集・創作分野を歴任。クラブツーリズムやカルチャーセンターなどで写真講座やバス撮影ツアーの講師を。本誌『アルク』表紙や『週刊女性』『獣医畜産新報(JVM)』など連載中。