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12月

~アドラー流で考える 生徒・保護者とのコミュニケーション~
先月号に引き続き、事例を通して日々のコミュニケーションを振り返ってみましょう。

◆こんな時、どうしましょう?

発表会で大失敗をしてしまった生徒さん。
なかなか立ち直れず、レッスンがとても憂鬱そう。
どのような声かけをしたらいいのかしら…。

読者のみなさまにもこのようなご経験をなさった方がいらっしゃることと思います。どのような声かけをしたらよいか、頭の中で考えていることを書き出してみましょう。書き出してみることで、思考整理ができますし、改善点もきっと見えてきます。ぜひトライしてみてください。

●発表会などの本番で失敗をしてしまった生徒さんへ、どのような声かけをしていますか? またはどのような声かけをしたら良いと思いますか?
*書き出してみましょう。

 

◇アドラー流コミュニケーション ~松井先生の場合
*一例として参考になさってみてください。

発表会などの本番には大きな意義があることを、多くの先生方、保護者の方が感じていらっしゃることと思います。たったひとりでステージに立ち演奏をすることで、どれだけ多くの力が身につくことでしょう。想像もできないほどの豊かな可能性を伸ばす素晴らしい機会だと思います。本番を何度も繰り返していくことが、生徒さんたちにとって、とても貴重な経験になりますよね。緊張も失敗も、もちろん成功も全てが宝物だと思います。そんな素晴らしい体験ができる本番を、私は生徒たち自らが心から喜び、成長を実感できる機会にしたいと考えています。
さて、生徒さんが自分の演奏に満足している時は、共に喜べばと良いと思うのですが、もし「うまく弾けなかった。失敗だった。」と感じている時は、「共感」することを大切にしています。本人が感じていることを否定せず、「そうなのね。失敗しちゃったと思っているのね。」「うまく弾けなかったと感じているのね。」と、まずは気持ちを認め、受け止めてあげると良いと考えています。例えば「本当に難しいよね。弾けなくて悲しかったんだね。弾けるようになるために、一緒に練習方法を考えていこうね。」こんな声かけをしてみています。「褒める」でも「叱る」でもなく、「共感する」ことは、このような場面でも威力を発揮します。是非、一度試してみてください。

松井美香
「勇気づけの音楽家」東京音楽大学ピアノ専攻卒業。学研「愛のピアノレッスン」にて手記を執筆。
【HP】
松井美香ピアノ教室: http://matsuimika-piano.net
【ブログ】
ピアノの先生のためのモチベーションアップ術:http://ameblo.jp/makeachangewithlove/
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<座談会特設ページ>http://www.gakken.jp/ongaku/smile

11月

~アドラー流で考える 生徒・保護者とのコミュニケーション~
先月号に引き続き、事例を通して日々のコミュニケーションを振り返ってみましょう。

◆こんな時、どうしましょう?

我が子と他のお子さんを比べてしまい、
「うちの子は他のお子さんに比べて全然上達しないんです」
と言う保護者。どのように対応しよう…。

読者のみなさんのお教室にも、このような保護者がいるのではないでしょうか? どのような対応をしたらよいか、頭の中で考えていることを書き出してみましょう。書き出してみることで、思考整理ができますし、改善点もきっと見えてきます。ぜひトライしてみてください。

●我が子と他のお子さんを比べてしまう保護者に対して、どのような声かけをしていますか?またはどのような声かけをしたら良いと思いますか?
*書き出してみましょう。

 

◇アドラー流コミュニケーション ~松井先生の場合
*一例として参考になさってみてください。

「先生、うちの子の良いところが見つかりません。」と、あるお母さんがおっしゃいました。「学校の成績も良くないし、運動もできません。ピアノだって、長い間習っているのに他のお子さんに比べて全然上達しないんです。」と…。我が子を良く言うなんて、自慢しているようで気恥ずかしいとでも思っていらっしゃるのでしょうか。良い面を素直に口に出せない方が意外に多いことを、私はとても残念に感じています。アドラーは「多くの人が他人との比較の中で、優劣をつけて生きている」と指摘しています。私たちおとなは子どもを伸ばす手段として、他人と比較し、叱咤激励をすることが、時としてあると思います。しかし、それによって子どもが良くなることはありません。むしろ、傷つき自信を失うのです。
こんな時、私は、他の誰かと比較して、子どもを褒めたりおだてたりするのではなく、ほんのわずかでも、その子自身の良い点を見つけ認めるようにしています(このことを、私の師匠である岩井俊憲先生は「ダメ出し」の対義語として「ヨイ出し」と提唱しています)。できないところではなく、できているところに注目する「ヨイ出し」は、子どもの自信や意欲に繋がります。我が子と他のお子さんを比べてしまう保護者には、このことをお伝えするようにしています。

松井美香
「勇気づけの音楽家」東京音楽大学ピアノ専攻卒業。学研「愛のピアノレッスン」にて手記を執筆。
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10月

8・9月号では、アドラー流で考える「生徒・保護者とのコミュニケーション」についてお話しをしました。今回から数回にわたって、事例を通して日々のコミュニケーションを振り返ってみましょう。

◆こんな時、どうしましょう?

生徒がなかなか練習をしない。
自分から進んで練習をするようになってほしいのに…。

①練習をしてこない生徒に対して、どのような対応をしていますか?
*声掛けや対応はどうですか?思いつく限り、書き出してみましょう。

②生徒にどうしてほしいですか?どのような対応が理想ですか?

◇アドラー流コミュニケーション ~松井先生の場合
*一例として参考になさってみてください。

練習するかしないかは、最終的には本人の判断を大切にしています。上手くなりたいかどうかも本人が決めること。もちろん、生徒さんには上達してほしいですし、そのために練習を促す工夫と努力は惜しみなくしています。ただ、やみくもに練習を強制するようなことは避けたいと思うのです。
まず、弾けるようになった時のことを、生徒さんと一緒に想像してみます。例えば、発表会でとっても上手に弾けて、多くの人に拍手をもらったシーンをイメージしてみるのです。本当にその場にいるような臨場感で、どんな会場で、どんな人がいて、大好きな曲が上手に弾けて、大きな拍手をもらった…など、どんどんイメージを膨らませるのです。そして、ここからがもっと大切なのですが、その時の「感情」をリアルに思い描いてみるのです。あたかもそれが今、現実に起こっているかのように、嬉しい気持ちを味わい実感してみるのです。おとなとの会話で、それを生徒さんに想像させます。そして、それを行った上で「練習しなさい」と強制するのではなく、「練習したらそうなれるよ。ちょっとずつでもいいから、練習してみたら?」と自らチャレンジしたいと思うような言葉かけをしています。

松井美香
「勇気づけの音楽家」東京音楽大学ピアノ専攻卒業。学研「愛のピアノレッスン」にて手記を執筆。
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9月

前回に続き、アドラー流で考える「生徒・保護者とのコミュニケーション」についてお話しします。

=明確な目的を持つことによって、人は成長する=
初めはぼんやりとしていたピアノを習う目的が、コミュニケーションを通して明らかになってくると、生徒さんは飛躍的に成長し、保護者はさらに協力的になってくださいます。生徒さんの気持ちに、時に保護者の気持ちにも寄り添い信頼関係を築くことによって、長くレッスンを続けることができます。そして、長く続ける生徒さんを増やすことができれば、多くの人にピアノを習うことに興味を持ってもらえるようにもなると思うのです。
ピアノを習う目的は、生徒それぞれ違っても全く構わないのです。音楽の専門家になりたい子もいれば、そうでない子もいて良いのです。どんな目的であったとしても、ピアノが人生の支えとなるはずです。ですから、目的によって、上達の早さも、それぞれ違っていて良いのではないかと、私は考えています。

=大切なことは相手に合わせること=
ここで、私たち指導者が考えたいことがあります。それは、指導者の「上達させたい」という思いだけが強くなり過ぎないように、ということです。それのどこがいけないのかと疑問に思う指導者もいらっしゃることでしょう。
けれども、大切なのは生徒さん自身であって、私たちの願いはそのあとで良いのです。このバランスが崩れてしまうと、生徒さんを苦しめることにもなりかねません。指導者の期待が大き過ぎると、それがプレッシャーとなり、長く続けられなくなる危険性もあるのです。私たちの情熱は確かに必要です。しかし、誰のためのレッスンなのかを、しっかりと見極めることが大切なのではないでしょうか。

アドラー流コミュニケーションの極意、それは「相手の目で見、相手の耳で聞き、相手の心で感じること」です。これは、私たち指導者にとっても、とても重要なことだと思うのです。

次回からは、アドラー流コミュニケーションについて、事例を通して一緒に考えていきましょう。

松井美香
「勇気づけの音楽家」東京音楽大学ピアノ専攻卒業。学研「愛のピアノレッスン」にて手記を執筆。
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8月

今回から数回にわたって、アドラー流で考える「生徒・保護者とのコミュニケーション」についてお話しします。
ピアノの先生方の多くは、生徒の上達を真剣に考え、日々とても熱心に指導されています。ここ数年、指導法や教材の書籍も、多数出版されるようになりました。また、本を読むだけではなく、講座やセミナーに足繁く通われる先生も多くなってきています。本当に素晴らしいことです。大学を離れてからも、このように学び続ける指導者の姿勢に頭がさがる思いがします。
その一方で、全盛期に比べると現在は、ピアノを習う生徒が減ってきているという悲しい事実もあります。私たち指導者にとって、このことは決して目をそらすことはできないことです。音楽や美術などの芸術活動よりも、いわゆる受験に必要な科目を重視する現代の教育の風潮について、私たちが考えなければいけないことは多々あります。
ここで、私たち音楽を指導する者が、今、取り組むべきこととは一体何なのかを、一緒に考えてみましょう。

ピアノを習う目的とは
生徒さんも、そして保護者の皆さんも、素晴らしい先生に導かれたいと願って、お教室を訪ねて来られます。そんな皆さんの「ピアノを習う目的」について、考えたことがありますか?生徒さんは、どんな目的のためにピアノを習う(あるいは、保護者はどんな目的のために子どもにピアノを習わせる)のでしょうか?ピアノの上達だけが、真の目的なのでしょうか?習う本人は「なんとなく楽しそうだから」「ピアノが弾けたらカッコ良さそうだから」「将来、役に立ちそうだから」などの理由が多いように感じられます。初めは目的が明確でなくても大丈夫です。「なんとなく弾けたらいいな」という動機でも、良いと思います。ただ、やはり長く続けてもらうために、ゆくゆくは、明確な目的を持ってもらった方がうまくいくのではないでしょうか。私たち指導者は、そのようなことも意識しながら、生徒さんや指導者と接していく必要があると思うのです。

アドラー心理学を取り入れたレッスンの例は
ところで、私が長年学び実践してきたアドラー心理学は、「勇気づけの心理学」とも呼ばれています。生徒に「勇気づけ」することで、生徒を伸ばしていくのです。ピアノの技術的なことは、もちろん指導しますが、生徒や保護者との円滑なコミュニケーションを図ることや信頼関係を築くことにも、力を注いでいます。先ほど書いた「ピアノを習う目的」についても、生徒の気持ちに寄り添い、時に保護者の気持ちにも寄り添い、コミュニケーションをはかりながら、一緒に考えていきましょう。

次回は、具体的にその極意について、お話しします。

松井美香
「勇気づけの音楽家」東京音楽大学ピアノ専攻卒業。学研「愛のピアノレッスン」にて手記を執筆。
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7月

ピアノの先生や保護者のお悩み募集中!
熱心に指導されているからこそ、そして、教育熱心だからこそ、多くの悩みが出てくるもの。アドラー心理学は、問題解決のヒントや助けとなることでしょう。

相手の権利に土足で踏み込んではならない。
権利を尊重し、自分で決めさせるようにすれば、
人は、自分を信じ、他人を信じるようになるだろう。

(アルフレッド・アドラー『人生に革命が起きる100の言葉』ダイヤモンド社 小倉広著より)

このコラムで、私が何度もお伝えしていること。それは「生徒自身に考えさせることの大切さ」です。かつて、ピアノ指導者の多くは、与えた課題に対して、弾いている本人の考えや思いを引き出すというよりは、知識や技術を教え込む指導を行っていました。もちろん、知識や技術を教え与えることも必要なことです。けれども、これからは、そのような指導に偏ることのないよう、私たちは気をつけたいもの。なぜなら、生徒の自由な表現の権利を奪ってしまうことにもなりかねないからです。

以前にも、このコラムに書いた「指示に従わない生徒」にお悩みの先生は多いと思いますが、ここで今一度、そのことについて考えてみましょう。
「指示に従わない」のは、「自分にやりたいことがある」という自主性の表れでもあり、それを否定的に捉える必要はありません。例えば、指導者が「これをやろうね」と言っても、生徒がそれに取り組もうとしないのであれば、「これはやりたくないのね?じゃ、これならできるかな?」や「何をしたいの?」と、生徒本人に提案したり、尋ねてみます。すると、生徒は、自分のやりたいことができるので、積極的に取り組むようになります。そうは言うものの「そんなやり方では、きちんとした指導ができなくなるのではないか」という疑問も湧いてくることでしょう。確かに、それを学びにつなげる工夫は必要となってきます。

しかし、それは「生徒の気持ちになってみる」ことで解決の糸口が見えてきます。その生徒が、どんなことに興味があるのか、どんなことが好きなのか、普段の会話の中で尋ねてみるのも良いでしょう。例えば、絵を描くことが好きな生徒なら、まず絵を描かせてみて、そこから音楽につなげる。あるいは体を動かすことが大好きで、じっとしていられない生徒にはリトミックから始めてみる等々。計画通りに進まないと、焦ってしまう指導者のお気持ちもとてもよくわかりますが、生徒の好きなことや興味のあることを導入として取り入れ、それをどのように音楽につなげるかを研究すると良いのではないでしょうか。「生徒自身に考えさせ、決めさせる導き方」は、指導者にとって決して楽なことではありませんが、こうした日々の積み重ねが、やがては、自己信頼、他者信頼に結びついていきます。

松井美香
「勇気づけの音楽家」東京音楽大学ピアノ専攻卒業。学研「愛のピアノレッスン」にて手記を執筆。
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6月

番外編
今回は番外編です。昨年7月から開催している「勇気づけのピアノレッスン座談会」について、編集部(の)がレポートいたします♪
毎回さまざまなお悩みがある、ピアノ指導者のみなさまにご参加いただいている「勇気づけのピアノレッスン座談会」。松井先生を囲んでお悩みを共有し解決策を話し合い、そのあとにアドラー心理学のレクチャーを行うという2本立てです。

【過去のテーマ】

第1回 勇気づけの音楽指導者になるために絶対おさえておきたい5つの心得
第2回 保護者とのコミュニケーションを円滑に進める5つの秘訣
第3回 生徒を伸ばすために指導者が知っておきたい保護者との信頼関係を築く4つのポイント
第4回 生徒とのコミュニケーション

今年3月に4回目の座談会を開催いたしました。テーマは「生徒とのコミュニケーション」についてです。
参加者のみなさまからは「長くピアノを続けてもらうにはどうしたら良いでしょうか?」「家ではできないことを楽しく教えたい」「こだわりが強い生徒とのコミュニケーションはどうしたら良いか?」などのお悩みがあがりました。
前号のおんがく通信「勇気づけのピアノレッスン」コーナーにて、第4回の座談会で話題にあがった事例のひとつと、松井先生からのアドバイスをご紹介しております。ぜひバックナンバーもあわせてご覧ください。
http://www.gakken.jp/ongaku/note/p_lesson/index.html

<座談会参加者の声>

●ピアノの先生方と悩みを共有でき、さまざまな対応策を知ることができました。今後の参考にさせていただきます。

●ほかの先生方の悩みや解決法を聞く機会はなかなかありませんので、とても勉強になりました。早速今日から実践してみます!

●たくさんの先生方と知り合いになれて、嬉しかったです!

ご感想や松井先生に聞きたいこと、「座談会で○○○につい て、先生方のご意見を聞きたい」などのご要望がございましたら、編集部までお寄せください♪
music-info@gakken.co.jp

松井美香
「勇気づけの音楽家」東京音楽大学ピアノ専攻卒業。学研「愛のピアノレッスン」にて手記を執筆。
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5月

座談会、無事終了いたしました!
先日開催された、第4回「勇気づけのピアノレッスン」座談会のテーマは「生徒とのコミュニケーション。今回も、日々熱心に学ばれ、指導されている先生方が集まってくださいました。その中で、ちょうど今月の内容に合う事例がありましたので、ご紹介させていただきます。

行動に問題があるとしても、
その背後にある動機や目的は、必ずや「善」である。

(アルフレッド・アドラー『人生に革命が起きる100の言葉』ダイヤモンド社 小倉広著より)

グループレッスンの中で、ひとりだけ勝手な行動をする生徒がいて、先生がその対応に追われているというケースです。先生はその生徒だけでなく、周囲の生徒への影響についても心配されていて、大変困っていらっしゃる様子でした。私も教員をしていた頃、指示通りに動かない中学生の対応に苦労していたので、当時を思い起こし、とても胸が痛みました。

このような事例は、決して珍しいことではありません。が、指導者の導き方次第で、生徒は変わります。まず、最初にしていただきたいことがあります。それは、不適切な行動を取ってしまう生徒の動機や目的を知ることです。この行動の裏には、先生やお母さんや友だちに「注目されたい」という気持ちが隠れているんですね。「先生が大好き!どうやったら注目されるかな」と、生徒は健気に考え行動しています。この気持ち自体は決して悪いものではなく、むしろ「善」です。冒頭のアドラーの言葉は、このことを指しています。

アドラー心理学では、「人は注目されるところが強化されていく」と考えます。なので、生徒が不適切な行動をした場合、そこに注目してはいけません。注意したり叱ったりすると、それは注目していることになるので逆効果です。そうではなく、私たちは生徒が適切な行動をした時だけ注目します。すると、生徒は不適切な行動をしても、注目されないことを理解し学んでいくのです。「こんなことをしていても、先生は構ってくれない」「もっと良いことをして注目されよう」と、切り替わるんですね。

つまり、指導者は「ひとりで勝手な行動をする生徒」を注意(注目)するのではなく、むしろ、その他の「きちんとレッスンを受けている生徒」にこそ、目を向け声をかける(注目する)のです。
私たちおとなは、不適切な行動の裏にある、見えない「善」の気持ちをくみ取り、上手に導くよう心がけたいものです。

松井美香
「勇気づけの音楽家」東京音楽大学ピアノ専攻卒業。学研「愛のピアノレッスン」にて手記を執筆。
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4月

座談会、ご好評いただいております!
恒例となった「勇気づけのピアノレッスン座談会」は、熱意ある先生方の情報交換や交流の場としても、ご活用いただいております。和やかな雰囲気の中にも、深い学びを得ることができます。今後の開催にご期待ください!

間違いをわからせるには、親しみのある話し合いをすればよい。
大切なのは、それができる信頼関係を築くことだ。

(アルフレッド・アドラー『人生に革命が起きる100の言葉』ダイヤモンド社 小倉広著より)

前回、レッスン中に不適切な行動をとる生徒さんの指導について書きましたが、今回はその続きです。

年齢の小さいお子さんに限らず、指示通りに動いてくれない生徒さんにお困りの先生は意外に多いようです。予定していた内容がなかなか進まないのは、確かに困りますね。生徒さんを伸ばしたいからこそ、しっかりカリキュラムを組んでいるのに、思い通りにいかない。そこに、イライラやストレスを感じたりするのではないでしょうか?あるいは、ご自分の指導に自信が持てなくなる先生もいらっしゃるとお聞きします。そこで、生徒を叱ってしまいたくなるお気持ちも理解できないわけではありませんが、アドラー流で指導すると、その問題は解決します。

ポイントは、子どもと対等の関係で話し合うということです。誰でも間違ってしまうことはあるもの。間違った行動に対して、おとなが一方的に叱るのではなく、親しい友人と話すように話し合ってみることを、私はお勧めします。年齢は関係ありません。どんな小さな子どもであっても対等という意識を持つことです。

例えば、生徒さんが楽器を乱暴に扱うなど、明らかに誤った行動をした時に、「私はあなたがそのようなことをしたら悲しい気持ちになるよ。」「優しい気持ちで使ってくれたら嬉しいな。」のように、感情を交えず冷静に話します。叱られたからその行為をやめるのではなく、生徒さん自身が考えて行動できるよう、促していくのです。そして、信頼関係を築く努力を指導者自らがしていくことです。子どもはそもそも、善意で動いていると信じること。一見、おとなにとって困った行動に見えても、実は、悪意など全くない、というケースもあります。その一つ一つに対して、丁寧に話し合いを重ねることで、信頼関係は深まっていきます。この方法は確かに時間がかかり、結果が見えにくいことではありますが、「主体的に学ぶ生徒を育てる」という意味でも、とても重要なことなのです。

松井美香
「勇気づけの音楽家」東京音楽大学ピアノ専攻卒業。学研「愛のピアノレッスン」にて手記を執筆。
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3月

次回の座談会は、3月24日(金)開催です!
毎回ご好評をいただいている、松井美香先生のコラム「勇気づけのピアノレッスン」は、今月号より3年目に突入します。座談会の他に、新しい企画も続々と進めております。どうぞご期待ください♪

叱ると一時的には効果がある。しかし本質的な解決にはならない
むしろ、相手は活力を奪われ、ますます言うことを聞かなくなるだろう。

(アルフレッド・アドラー『人生に革命が起きる100の言葉』ダイヤモンド社 小倉広著より)

アドラー心理学を実践する私は、基本的に「叱る」「褒める」をしないのですが、セミナー等でお会いする先生に、こんなご質問を受けることがあります。「子どもが悪いことをしたら、おとなが叱るのは当然のこと。そういうことを教えるのが、指導者や親の役目なのではないですか?」といった内容です。そんな時に私は「はい。そうですね。それも、手段の一つではありますが、叱らなくても指導はできますよ。」こんなふうにお答えしています。かつて、多くのピアノの先生は、生徒がレッスン前に練習してこないと「なんで練習してこないの?」「うまくなりたければ練習してきなさい!」と叱る指導をしていたのではないかと思います。先生にみていただくのだから、生徒は一生懸命練習するのが当たり前。そんな時代でした。

でも、さすがに最近は、練習しないことに対しては、叱らない先生も増えてきたように感じています。ただ、やはり、そうは言っても、ちょっとした困った行動に対しては、「やめなさい!ダメでしょ!」や「そんなことをしたら、お菓子やご褒美をあげないよ。」などと、つい、叱り口調や、ちょっとした脅かしを言ってしまうという先生や保護者も、もしかしたらいらっしゃるかもしれません。

このように叱ることは、一時的には効果があると思いますが、それだけでは本質的な問題解決にはなりません。その場だけで解決したように見えても、また違う場面で困った行動をする可能性が大いにあるのです。また、叱る指導を繰り返しおこなっていくと、子どもが自分に自信が持てなくなったり、物事にチャレンジする勇気や意欲がもてなくなってくる危険性もあるのです。そして、困った行動は改善されるどころか、罰を与えられたり、脅かされたりしたことで、相手のことを恨んだり、素直に聞き入れなくなります。その結果、ますます不適切な行動を取り、言うことを聞かなくなるのです。では、私たちおとなは、このような場合、どのように対応すれば良いのでしょうか。それには、ちょっとしたコツがあります。子どもと対等な関係で会話をするということです。次回はそのことについて、もう少し詳しく書いてみたいと思います。どうぞお楽しみに。

松井美香
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2月

第4回目の座談会が開催されます!
松井美香先生による「勇気づけのピアノレッスン座談会」、お陰様で毎回満席となっております! 第4回目は3月24日(金)に決定! 詳細とお申し込みについては特設ページをご覧ください♪http://www.gakken.jp/ongaku/smile/

問題行動に注目すると、人はその問題行動を繰り返す。
叱ることは、悪い習慣を身につけさせる最高のトレーニングなのだ。

(アルフレッド・アドラー『人生に革命が起きる100の言葉』ダイヤモンド社 小倉広著より)

ここ数年、レッスン中に生徒が「勝手に立ち歩く」「許可なしに置いてある楽器や小物などを勝手に触る」「指導が伝わりにくい」といったお悩みを抱えている先生が増えてきました。私も、このようなケースの対応について、ご相談を受けることが多くなってきています。

子どもに問題行動をさせたくない時に、指導者や親である私たちが、まずしてしまいがちなのが「叱る」という行為。でも「ダメって言ったでしょう」や「何回も言ってるのに、なんでできないの!」と叱っても、子どもの問題行動は直りません。それどころか、ますますエスカレートしていきます。

例えば、私のセミナーを受講されたある先生は、こんなことがあったそうです。4歳の男の子の生徒さん。体験レッスンを終え、いよいよレッスンがスタートという時点から、問題行動が始まったとのこと。ピアノの前にじっと座っていられず立ち歩く、指示を聞かない、勝手な行動をする等々。その先生は、このような生徒さんに出会ったのが初めてで、困惑してしまったそうです。先生は、とても困られ、その後とうとう叱ってしまったとお聞きしました。

さて、子どもはおとなから評価され、褒められるという「正の注目」をされない場合、今度は叱られるという「負の注目」を集めようします。関心をもってもらえないよりも、叱られる方が、はるかにましなのです。

ですから、私たちは、問題行動をやめさせたいのであれば、そのことに「注目しない」ということが、実はとても大切です。そして、問題行動をしていない時や適切な行動をとった時にこそ、注目し認めるのです。できて当たり前を思うようなこと、例えば「いつもレッスンに来る」というようなことにも注目し勇気づける。そうすることで、問題行動はかなりの割合で減っていきます。子どもの困った行動に対して、決して慌てず、冷静に観察し、その目的を考え、落ち着いて導くことが重要です。ぜひ「叱らない指導」「問題行動に注目しない指導」を心がけてみてくださいね。

松井美香
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1月

第2回目の座談会が開催されました!
去る11月18日、第2回目「勇気づけのピアノレッスン」座談会が開催されました。テーマは「保護者とのコミュニケーション」。指導熱心な先生方が集まり、とても和やかで充実した時間でした。第3回目もお楽しみに♪

命令口調をやめて、お願い口調や「私」を主語にして伝えると、
それだけで勇気を与えられるだろう。

(アルフレッド・アドラー『人生に革命が起きる100の言葉』ダイヤモンド社 小倉広著より)

大学を卒業し、中学校の教員になりたての頃、私は生徒に対して、よく命令言葉を使っていました。今、思い返してみると、まだ20代前半ですから、それほど歳も離れていないのに、そんな言葉をよく使えたものだと思います。その頃の私は、先輩の先生方に「教壇に立つからにはプロとしての自覚を持ちなさい。」という助言をされていましたし、私自身も学生の頃は、そのような指導を受けてきたので、それが当たり前という感覚だったのです。でも、そのやり方は、生徒に受け入れられませんでした。「舐められまい」として偉そうな態度をとる私に、生徒は反抗的になり、指導が全くうまくいかなかったのです。

ある日、私は、そんな様子を見たひとりの先輩教員から呼び出されました。「その偉そうな口調を直さない限り、指導はうまくいかないわよ。」と、その先生はおっしゃいました。私は、最初、それが何のことかさっぱりわからなかったのですが、私がいつも生徒に「~しなさい」と言っていたことを、指摘してくださったのです。それを聞いて、初めは、困惑してしまった私ですが、実際に、意識して言葉を変えてみると、生徒は徐々に変わり始めました。命令口調をやめ、お願い口調にしてみたところ、生徒が次第に素直になっていったのです。まだこの頃の私は、アドラーを知りませんでしたが、このことがきっかけで私は、生徒と信頼関係を築けるようになっていったのだと思います。

現在、ピアノ指導をする時も、私は「~しなさい」という命令口調を使いません。何かして欲しい時にはお願い口調で「~して欲しいんだけどどうかな?」と言います。あるいは「私はこう思うんだけど…○○ちゃんはどう思う?」のような、「私」を主語にした”I(アイ)メッセージ”もよく使っています。たとえ、年齢が小さな子どもであったとしても、同じひとりの人間として接すると、生徒たちとの関係は、とても良いものになります。

松井美香
「勇気づけの音楽家」東京音楽大学ピアノ専攻卒業。学研「愛のピアノレッスン」にて手記を執筆。
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