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えほんとてあそび

【あした、親子で読みたい本】将来の仕事について考える絵本 3選

【あした、親子で読みたい本】将来の仕事について考える絵本 3選

 子どもの時に読んで感動した本は、大人になってもずっと心に残るもの。子どもたちが、自分だけの宝物になるような一冊に出合えるように、おすすめの絵本や読み物を元書店員でありJPIC読書アドバイザーの市川久美子さんにご紹介いただきます。


 子どもは、幼い時は「電車の運転手になる。」「サッカーの選手になる。」「ケーキ屋さんになる。」「花屋さんになる。」などと楽しそうに語ってくれます。それが、自分が大人になってからの職業(仕事)だと意識するようになるのは、小学校高学年ころからでしょうか。そして、もっと現実的になる年齢になって、どうしたらその職業になれるのかと考えたり、迷ったりする子もいると思います。
 今回はたくさんある「仕事」についての本から、3冊を紹介します。

『おおきくなったらなにになる?』(偕成社)

 「おおきくなったらなにになりたい?」の問いかけでお話がすすみます。いろんな仕事が出てきて、温かい絵があって楽しい絵本です。作家のフランソワーズは『まりーちゃんとひつじ』岩波書店で知られている作家です。絵の色合いがお菓子のようです。
 親子でお話をしながら楽しめそうな絵本です。(対象:4歳~)

さく:フランソワーズ
やく:なかがわちひろ
出版社:偕成社
定価:1,200円+税
商品詳細:『おおきくなったらなにになる?』(偕成社商品ページ)

『ルリユールおじさん』(講談社)

 初めは理論社から出版され、現在は講談社から出版されています。
女の子は木のことなら何でも載っている植物図鑑を大切にしていましたがバラバラに壊れてしまいました。どうしても自分の図鑑を修理したいと思います。ある時、「そんなにだいじな本なら、ルリユールのところに行ってごらん」と言われ、ルリユールおじさんを探します。おじさんの、説明をしながら丁寧に修理をしていく仕事ぶりは職人技。その図鑑は新しい命を吹き込まれて蘇ります。女の子にとって、今までの図鑑よりもっと大切なものとなって。
 画家のいせひでこさんは、製本・装丁を手作業で行う職人であるルリユールという仕事の工程を丁寧に描いています。おじさんの手が特に素晴らしい。最後のページに大きくなった女の子がどう育ったかが描かれ、感動があります。子どもたちを素敵な大人と出会わせたいですね。(対象:小学校中学年~)

作:いせひでこ
出版社:講談社
定価:1,600円+税
商品詳細:『ルリユールおじさん』(講談社商品ページ)

『なぜ僕らは働くのか』(学研プラス)

 仕事の本はいろいろ出版されています。『13歳のハローワーク』(幻冬舎)が出版された時もいい本だと思いましたが、この本も子どもたちに手渡したいと思いました。
本書は「仕事は誰かの役にたつこと 私たちは誰かの仕事に助けられて生きている」といった、仕事とは?というところからはじめて、「どうやって働く? どうやって生きる?」「好きを仕事に? 仕事を好きに?」など、いろいろな人の立場に立ったうえで,「仕事」を子どもにわかりやすく説明しています。きっと、肩ひじ張らずに読めると思います。親が子どもに教えきれないような事柄も書かれており、子どもだけでなく大人まで参考になる本です。
 厚い本で最後まで読んでもらえるかなあと思いましたが、間に男の子を主人公にした家族の漫画が入っているなど、飽きさせない工夫があります。子どもたちが未来を夢見ることを手助けする一冊です。中には、未来が描けず悩む子もいるかもしれませんが、大人の狭い範囲での意見で答えず「答えは一つではない」とも伝えられる内容になっているので、様々な立場の子どもが納得できる本だと思います。(対象:小学校高学年~)

監修:池上彰
漫画:佳奈
画:モドロカ
出版社:学研プラス
定価:1,500円+税
商品詳細: 『なぜ僕らは働くのか』(学研プラス商品ページ)

市川 久美子(いちかわ くみこ)

監修者:市川 久美子(いちかわ くみこ)

元書店員。JPIC読書アドバイザー。1981年地域文庫の立ち上げに携わる。後に家庭文庫も開く。同じ小学校で15年以上読み聞かせ・語り・ブックトークを行い、作家さんなどの授業も15年企画。市立図書館・中学校図書館勤務の後、1999年より大型書店児童書担当として20年勤務。退職後は、児童書関連の執筆・講演を行う。著書に『ねんねのうた』(佼成出版)がある。

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