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【SDGs】子ども食堂が「だれひとり取り残さない世界」をつくる

【SDGs】子ども食堂が「だれひとり取り残さない世界」をつくる

みなさん、SDGs(エス・ディー・ジーズ)を知っていますか?

SDGsとは、世界中の国々がいっしょになって地球を住みやすい星にするために、2030年までに達成すべき17の目標のことです。日本語では「持続可能(じぞくかのう)な開発目標」と呼ばれます。
SDGsは「だれひとり取り残さない世界をつくる」ことを大きな目的としています。
そんな世界をつくるためのひとつの取り組みが「子ども食堂」。最近、日本でも普及してきた子ども食堂ですが、17あるSDGsの目標のうち、目標1「貧困をなくそう」や目標12「つくる責任つかう責任」に貢献(こうけん)しています。
今回は子ども食堂の良い点やSDGsとの関係について考えます。
みなさんも子ども食堂に行ってみたり、調べ学習に取り組んだりしてSDGsについて考えてみてはいかがでしょうか。

困っている人を助けることこそがSDGs

今、日本ではおじいちゃんやおばあちゃんといっしょに住んでいなかったり、お父さんお母さんのどちらも働いていたりするなどの理由からごはんをひとりで食べる子どもが増えています。ごはんをひとりで食べることは「こしょく(※1)」と呼ばれ、さびしいだけでなく、食事マナーが身につかなかったり、栄養バランスが偏(かたよ)ったりするなど多くの問題を引き起こします。
そんな困っている人を助けるのが子ども食堂です。今回、お話を聞いた東京都中野区にある「あーちのめし処」さんも子ども食堂を始めたのは「困っている人を助けたい」という自身の経験からだといいます。

「自分がシングルマザーで子どもにひとりでごはんを食べてもらうことも多かった。同じような状況にあって、さびしくごはんを食べる子どもたちをなくしたいという思いから子ども食堂を始めた」。

このような思いはSDGsの「だれひとり取り残さない」という目的につながる部分があると思います。
しかし、「あーちのめし処」さんも「SDGsのために子ども食堂を始めた」というより、「困っている人を助けるために子ども食堂を始めた」という思いが強く、これこそが大切なことなのかもしれません。「SDGsだから」「みんながやっているから」ではなく、困っている人を助けることが結果的にSDGsにつながり、それが「だれひとり取り残さない世界」をつくっていくのです。

※1 こしょく:同じものばかりを食べる「固食」、ひとりでごはんを食べる「孤食」、家族でいっしょに食べているけどそれぞれが違うものを食べる「個食」などさまざまな意味の「こしょく」があります。

みんなで食べることの大切さ

「ひとりで食べる」ことから「みんなで食べる」ことで困っている人を助ける子ども食堂。

「みんなで食べること」にはどんな良いことがあるのでしょうか?
「あーちのめし処」さんのお話からみんなで食べることの3つの良い点をまとめました。

 1.好き嫌いをしなくなる

1つ目は、好き嫌いをしなくなること。「好き嫌いはダメ」と言いますが、なかなか難しいですよね。ひとりで食べているとこっそり少なくしたり、捨てたりすることがあるかもしれません。そこで、みんなで食べると、「嫌いな食べものでもがんばって食べてみよう」という気持ちになります。

好き嫌いをせず、いろいろなものを食べることは子どもの健康を支えます。また、本来食べることができたはずの食品が捨てられる「フードロス」を抑えることにつながります。
フードロスに関連するSDGsの目標12「つくる責任つかう責任」は、他の目標と比べて世界よりも日本が遅れを取っています。
好き嫌いをせず食べることでこの目標の達成に近づきましょう。

2.正しい食べ方が身につく

2つ目は、正しい食べ方が身につくことです。ひとりで食べていると、だれからも注意されず、食事マナーをおろそかにしてしまいますよね。しかし、みんなといっしょなら自分の食べ方を見直す機会にすることができます。
また、みんなと食べると、「友だちのお茶をいれる」「机を拭(ふ)く」などの食べ方だけでない、他者へ思いやりやコミュニケーションスキルも芽生(めば)えるようになります。
つまり、食を通して生きていくために必要な考えや力を培(つちか)う「食育」が自然と実践できるようになります。

3.「食べる」ことを楽しめる

3つ目は、「食べる」ことを楽しむようになることです。
みなさんはごはんを食べるときどうしていますか? テレビやスマートフォンを見ながらではなく、きちんと食事に向きあっているでしょうか?
肉や魚、野菜や果物(くだもの)など多くの命があって自分たちの元に届いています。そんな状況に「ありがとう」を伝えるためには、「食べること楽しむ」ことが大切ではないでしょうか?
食べるまえの「いただきます」、食べたあとの「ごちそうさまでした」を通じて感謝の気持ちを伝え、「食べる」ことにみんなで向き合いましょう。

こんなにある! 子ども食堂とSDGsの関係

子ども食堂の良さを紹介してきました。ここでは子ども食堂とSDGsの関係を考えます。
まず、食を通して困っている人を助けることは目標1「貧困をなくそう」や目標2「飢餓をゼロに」につながります。次に、栄養バランスを考えた食生活を送ることは目標3「すべての人に健康と福祉を」にもつながるかもしれません。また、好き嫌いをしないことは目標12「つくる責任つかう責任」のフードロスの解決に役立ちます。最後に、みんなで楽しく食べることは目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」に関連し、地域の小さなコミュニティが世界の大きな問題解決に貢献します。

このように、子ども食堂はSDGsに大きく貢献しています。

SDGs達成に向けて、一歩をふみ出そう!

最後に、SDGsに向けて私たちができることを紹介します。

まずは「子ども食堂に行ってみる」です。
子ども食堂を調べるには、インターネットで調べると良いでしょう。自分が住む地域の子ども食堂を探したい場合、「東京 品川 子ども食堂」というように検索すれば多くの子ども食堂を見ることができます。最近は、TwitterやInstagramなどのSNSから情報を発信している子ども食堂もあるので、そちらでも検索してみてください。

また、「こども食堂ネットワーク」や「むすびえ」など全国の子ども食堂を探せるサイトもあります。ぜひ一度、近くに子ども食堂があるか調べてみてください。

次は「SDGsについて知る」です。

SDGsには17の目標があり、子ども食堂だけでは達成できないものもあります。
ほかにどんな目標があり、どういう行動をとればいいかを考えるには、まず知ることから!

子ども向けにSDGsをわかりやすく説明している動画やウェブサイトもあります。

また、学研もSDGsの本を出しているので、本選びの参考にしてください。

  • 世界がぐっと近くなる SDGsとボクらをつなぐ本

最後は「SDGsを発信しよう」です。

子ども食堂に行ったり、インターネットや本でSDGsのことを知ったら次はSDGsについて自分が思うことを発信してみましょう。
作文や絵・写真などさまざまなコンクールやコンテストが開催されています。
自分の得意な方法で思いを表現してみてください。

※募集が終わっているものもあります。該当サイトで情報を確認してください。

いかがでしたか?
SDGsは世界中の人々が取り組む大きな目標です。しかし、私たちにもできることがあるというのはわかったのではないでしょうか?
大きな変化も小さな一歩から!
みなさんもSDGsに向けて一歩ふみ出してみませんか?

執筆:藤井大輔

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