ふしぎのトビラ 〜 ふるさとサイエンス

TBC東北放送制作、東北地方及び新潟の7局で放送される「ふしぎのトビラ 〜ふるさとサイエンス」に佐藤研究員が出演中です。この番組は、東北地方を中心に地元の不思議を科学するサイエンス番組です。ミッキー先生(佐藤研究員)は、スタジオの子どもたちに実際の実験で、科学をわかりやすく解説します。
月1回放送されています。詳しい放送時間と放送局は、下記ホームページをご参照ください。
番組ホームページは http://www.tbc-sendai.co.jp/03tv/fushigi/index.html

2006年に放送された番組内容をご紹介します。最新の放送分はこちらです。

12/09放送

天気予報が今月のテーマ。天気予報の重要なポイントに湿気、湿度があります。スタジオでも湿度に関係した実験を行いました。

最初の実験は「セロハンのクネクネダンス実験」。容器に湯を入れ、ティッシュペーパーでふたをします。そこに短冊状に小さく切ったセロハンをのせると、クネクネとまるで生き物がダンスをするように動き続けます。子どもたちからも歓声が。ティッシュを通り抜けた水蒸気で、セロハンの下側が湿気を吸って延び、バランスが崩れるために動くのです。お好みやきの上にのせた削り節が踊るのも同じ理由です。

続いて、セロハンが湿気を吸うと延びることを利用して作った湿度計を紹介。バナナハンガーに細長く切ったセロハンをゴムで軽く引っ張りながらセットし、紙の指針をつけたごく細いストローを、セロハンに接触するようにつけます。セロハンの伸び縮みでストローが回転する仕組みです。湿度の高い部屋を作りこの湿度計を入れます。セロハンが湿気を吸って、指針がどんどん回転していきます。湿気を吸って変化するものを利用して湿度計ができることを説明しました。毛髪や馬の毛を使った湿度計が実際に作られています。

11/11放送

今回テーマのひとつは間欠泉。
鳴子温泉の鬼首にある有名な間欠泉。数10mの水柱を一定時間ごとに吹き上げます。その原理の核となる減圧沸騰の実験を行いました。

最初の実験はアクリル容器にチューブと吸引ポンプを接続し、中にお菓子の袋を入れて空気を吸い出します。お菓子の袋はどんどん膨らみ、はちきれそうになります。袋の中の空気は1気圧で、空気を抜いて周りの圧力が下がったので膨らんだのです。

続いて減圧沸騰実験です。電気ポットから非常に熱い湯をビーカーに注ぎ、さきほどのアクリル容器に入れて空気を吸い出します。空気の圧力が下がるので水面を押す力が弱くなります。すると、お湯の中で水蒸気が泡になってどんどん出てきます。沸騰しているのです。湯が90度ならばその水蒸気の圧力と水面を押す空気の圧力が同じになったときに沸騰が始まります。結果的に沸点が下がるのです。子どもたちは、火も使わないのに急に沸騰しだしたことに、手品のような不思議さを感じたようです。

10/14放送

今回のテーマは、炭のふしぎで す。番組で炭の作り方や浄化作用などを紹介したのに関連して、スタジオでは試験管を使って、竹串の炭作りを行いました。

試験管に竹串を入れ、ガラス管つきのゴム栓をして熱します。竹は、酸素が供給されない試験管の中で熱せられ、炭になる成分以外がどんどんガスとなって出ていきます。約300度で急に竹が炭化するようすを観察しました。

続いて、1000度以上の高温で竹串を焼いた炭を使った実験です。高温で焼いた炭は、電気の伝導率がよくなり、エジソンは電球のフィラメントに竹を使うことで、長時間の光り続ける白熱電球を完成させました。実験では、乾電池12本の直列つなぎ回路の中に、高温で作った竹串をはめ込みました。すると、電気抵抗によって発熱が起こり徐々に光りだしました。エジソンの電球の再現実験です。空気中なので、炭は短時間で燃え尽きてしまいましたが、子どもたちはとても感動してくれました。高い温度で炭にするために、試験管ではなく傘の柄のパイプを利用しました。

09/09放送

番組の中で、秋田県の男鹿半島にあるゴジラ岩(形が似ている)や生き石という石焼き鍋に使われる石の紹介に関連して、7つのおもしろい芸達者な石を紹介しました。
1.黒曜石(こくようせき)
急速に冷えてできた石です。たたいて割ると断面がガラスやナイフのようにとても鋭いので、大昔にはヤジリやナイフのかわりに使われていました。
2.サヌカイト
たたくと澄んだ金属質の音がします。鉄琴ではなく石琴です。讃岐(さぬき)地方で採れることからサヌカイトの呼び名がつきました。
3.磁鉄鉱(じてっこう)
見た目はただの石ですが、磁石によくつきます。
4.雲母(うんも)
工業原料としても有名な石で、うすくはがれます。ガラスのように、熱に強く絶縁性が高いという特長があります。
5.テレビ石(いし)
世界でもカリフォルニアでしかとれません。結晶が光ファイバーと同じ効果を持ち、印刷物の上にのせると、文字が石の表面に浮かび上がって見えます。
6.石英片岩(せきえいへんがん)
白い円い石で、強く擦りあわせると結晶が壊れ、そのときに光を放つというとても不思議な石です。スタジオを暗くして実験したら、「お〜っ」と歓声があがりました。
7.蛍光鉱物(けいこうこうぶつ)
紫外線を当てると蛍光を発する石。紹介した石では方解石などが光っています。緑とオレンジのちょっと毒々しい色を発するのでとても意外性があります。
このほか、化石の話題に関連して3000万年前の樹液が化石になった虫入り琥珀(こはく)を紹介しました。

08/12放送

ペットボトルに水蒸気を入れるため、息を吹き入れます。空気入れ用ノズルのついたゴム栓でフタをし、自転車の空気入れで空気を入れていきます。空気がどんどん押し縮められ、ボトルがぱんぱんになると同時に空気の温度があがります。これを「断熱圧縮」といいます。
ある程度の高い圧力になると、急に栓がとれます。周囲の圧力が下がったために、空気が一気に膨らみ温度もぐっと下がります。これを「断熱膨張」といいます。
空気とともに中の水蒸気も急に冷やされ、小さな水の粒がたくさんできます。それが白く見えたのです。多くの雲は、水蒸気を多く含む空気のかたまりが、上昇することで圧力が弱くなって断熱膨張し、その結果冷やされて小さな水滴や氷になったものです。まさに、ペットボトルの中で雲を発生させたのです。

07/08放送

今回の実験は魚のルポがあったので、その関連から魚の浮き袋の話をす るために、浮沈子の実験をしました。魚の浮き袋は体の中のガス(空気)の体積を増やしたり、減らしたりし て浮力を調節しています。これをヒントに、ペットボトルを握ったり放 したりして、浮いたり沈んだりする実験を行いました。炭酸飲料用のペットボトルに水をいっぱいに入れ、袋入りのアメを袋ご と入れてフタをします。強く握ると袋が沈み、力を抜くと浮いてきま す。命令通りに浮いたり沈んだりするアメの袋です。アメの袋の下の方に穴があり、少し水が入っています。上の方には空気 が入っているので浮いています。ペットボトルをにぎると、穴から水が 入って上の空気を押し、空気は縮んで体積が減って、全体の浮力が小さ くなるため沈むのです。

次の実験は、この浮沈子を醤油のたれびんで行いました。たれびんの下側面に穴をあけ、底に持ち手付きの楊枝を刺してナットの 重りを付けます。たれびんに少量の水を入れ、少し水に浮くように調節 します。これをペットボトルに入れて、前の実験のように、握ると穴か ら水が入り、空気が縮んで浮力小さくなり沈みます。放すと空気がふく らみ浮き上がってきます。

06/10放送

今回は水のパワーの実験です。最初はウォーターハンマー実「素手で瓶の底を抜く達人の技に挑戦!」です。ワインのビンに8割ほど水を入れます。ビンの口に、手が痛くないように厚さ1cm、1辺が7cmほどの木ぎれをのせ、その上から思いっきりたたきます。一瞬でビンの底がぬけます。たたいた瞬間にびんは下がりますが、中の水は慣性の法則のため下がらず、その位置に取り残されます。そのとき、ビンの底と水の間に一瞬真空状態ができます。次の瞬間、その真空部分に向かって水が落ち、ビンの底にぶつかります。ビンの底はその衝撃で抜けてしまいます。

もう一つは「おっとどっこい水は力もち実験」。透明ホースをつけた布団圧縮袋に、体重130kgのスタッフが発泡ボードを座布団にして座ります。約1.5mのホースはスタンドを支えに、地面とほぼ垂直につけられています。ホースの先端にじょうごをつけ、ポリタンクの水を入れていきます。水はどんどん圧縮袋に流れ込み、130kgの人が少しずつ上がっていきます。10cmくらい上がったところでやめます。ホースの中の水面は、お尻のある高さより70〜80cmほど高くなっている だけです。その部分の水の重さは200g(0.2kg)に満たない重さですが、 パスカルの原理によって面積倍だけ持ち上げる力が発生します。発泡ボードの面積はホースの断面の約600倍あるので、0.2kgの重さは、0.2kg×600で120kgの重さと釣り合うことになるのです。

05/13放送

鳴子水石(水をよく吸う石)の関連実験として、毛細管現象の実験をし ました。20cm四方のガラス板2枚を重ねて、横の一方に1mmくらいのプラ板を挟み、一方は何も挟みません。真上から見ると、とても細長い三角形のすき間ができています。これを深さ1センチほどの赤い水の入ったトレーにつけます。すると、すき間の細い方ほど赤い水が上ってきます。これが毛細管現象で、水とガラスの付着力と表面張力の力によるものです。

もう一つの実験は、レンゲを使った水飲み鳥です。持ち手の先にガーゼをつけ、垂れ下がった先をコップに入った水につけます。ガーゼが水につくと、ガーゼの繊維を水が毛細管現象によって上がってきます。吸い上げられた水は、レンゲが斜めになっているのでお尻の方にたまっていき、お尻側はだんだん重くなってシーソーのようにカタンと下がります。水が落ちて軽くなると、また持ち手のほうが下がって水を吸い上げ始めます。これを繰り返します。

04/08放送

今回は、メキシコに使節を運んだ「サン・ファン・バウティスタ号」の謎に迫りました。帆しか動力を持たない帆船が、風上に向かうにはどのようにしたでしょうか?ヨットの模型を使って実験しました。

03/25放送

この番組がレギュラー化される前の特別番組として、1時間の番組として放送されました。佐藤研究員は、「身近にあるものを使って雪の結晶を作る」実験と「スターリングエンジンの仕組み」の解説を担当しています。