トリシアQ&Aコーナー

大好評の「トリシアQ&Aコーナー」は、こちら!
南房先生、小笠原先生、キャラクター、編集部員がお答えします!!
これからも更新していくので、あなたの質問やリクエストをどんどん送ってね☆☆☆

第7回

前編

では、さっそくはじめましょう!
新たなるQ&Aコーナーです!

トリシア、レン、ショーン、ベル、アーエス、キャスリーンの年令と誕生日は?
??うーん。こっちの世界と暦が違うから、はっきりとは言えないなあ。ええっと、こっちの1月が銀霜月、2月が深雪月、3月が初花月にあたって……。
☆.。:* トリシア
「ねえ、わたしたち南街区の人間って、誕生日の記録なんて残してないよね?」
☆.。:* レン
「僕はたぶん、真冬の生まれ。トリシアは春だよ、確か」
??年はショーンたちより三つぐらい上だよね?
☆.。:* ショーン
「ふははははははは! 高貴な僕は、ハッキリと誕生日が分かるぞ! そっちの暦だと、11月11日生まれの11才だ! 1が並んでかっこいいだろ!」
☆.。:* ベル
「あたしは8月22日生まれの12才」
☆.。:* ショーン
「貴様! 同い年のはずだろ!?」
☆.。:* ベル
「ふふーん、この前、誕生日が来たのよ!」
☆.。:* ショーン
「くそっ! 先を越されるとは!」
☆.。:* アーエス
「考えように……よっては……先に……老けたとも……」
☆.。:* ベル
「あんたは黙んなさい!」
☆.。:* アーエス
「ちなみに……親に聞いたところ……私は……1月9日生まれ……残念なことに……ショーンと同い年……」
☆.。:* キャスリーン
「オーッホッホッホッホッホッホッ! みなさん、心して聞きなさい! このわたくし、王位継承権第二位にして麗しの王女、キャスリーン・ド・アムリオンの誕生日は、な、な、何と! 9月の15日! 一年に一度しかない日ですのよ!」
☆.。:* 一同
「…………」
☆.。:* キャスリーン
「……冗談なのですから、笑いなさい」
☆.。:* アムレディア(突然現れて)
「トリシアとレンの誕生日は、私が南街区で当時のトリシアたちの家の周囲に住んでいた人々に聞き込んで調査しました」
??そこまでしなくても……。
☆.。:* アムレディア
「南街区で一番長生きのイーディスさんの話によると、レンが生まれた日は1月の2日、トリシアは5月8日ですね」
☆.。:* アンリ
「それは僕も知らなかったなあ」
☆.。:* アムレディア(アンリを見つめて)
「どうでもいいことだけど、私の誕生日は12月25日よ、25日。12月の、25日」
??どうでもいいわりには、三回も言った。
☆.。:* アンリ
「ええっと、それはつまり……」
??プレゼントとか、考えておいた方がいいってこと。
☆.。:* アンリ
「……分かった」
??それと、みんなの身長についても質問がきてるんだけど?
☆.。:* マルテ
「ああ、それならこの前の健康診断の時の資料がありますよ」
☆.。:* トリシア(マルテが持ってきた書類を奪い取る)
「!」
☆.。:* マルテ
「あ、あの……?」
☆.。:* トリシア
「ダメ! これは絶対に発表したらダメ! ここには体重だって書いてあるんだから!」
??身長を聞くだけだよ?
☆.。:* トリシア
「身長を言ったら、体重も想像されちゃうでしょ!」
??複雑な乙女心ってわけ? でも、普段は健康が一番で言ってるくせに、身長とか体重にこだわるんだ?
☆.。:* トリシア
「ぐっ! それはそれ、これはこれ!」
??じゃあ、僕が見た目で言っちゃうと、トリシアはこのくらいの女の子の平均より少しちっちゃい感じかな? キャットは……トリシアとほとんど同じ、1、2センチほど高いぐらいだね。
☆.。:* トリシア
「ちっちゃいって言わないでよ! 全体的なバランスはいいんだから!」
☆.。:* キャスリーン
「わたくしのほうがずーっとすらりとしてますわよ! トリシアと同じあつかいにしないでくださる!」
??レンは二人よりも10センチ大きいかな? アンリはプリアモンドと同じぐらい。アムは170くらいある。ちょっとしたモデル並みだね。
☆.。:* アムレディア
「モデル? モデルとはなんです?」
??ああ、ええっと。……面倒くさいから、あとでね。で、後輩三人組の方は……。
☆.。:* ショーン
「当然、高貴なサクノス家の者である僕が、一番高いだろう」
??高貴とかそういうの関係ないけど、君らの三人の中では確かに一番大きいね。トリシアとたいして変らないよ。ショーンより少し小さいのがベルで、アーエスはベルよりも10センチぐらい背が低いっと。
☆.。:* アーエス
「育ち盛りだから……そのうち抜かす……目標は……ドラゴンより……大きく……」
??それ、たぶん無理。
ポムに質問です! アーエスにいじられてる時はどんな気持ちですか? あと、自分の体のことをどう思ってますか?
☆.。:* ポム
「イヤモウ、同情シテヨー。あーえすッテ、ヒドイ時ナンカ、三日モ四日モ放シテクレナインダ。僕、ヘトヘト」
☆.。:* トリシア
「それでやせれば、ちょうどいいじゃない?」
☆.。:* ポム
「僕、太ッテナイモン!」
☆.。:* トリシア
「太ってるわよ」
☆.。:* キャット
「むちゃくちゃ丸いですわ」
☆.。:* レン
「ぜい肉毛玉」
☆.。:* ポム
「ウー、ミンナシテー」
??ポムは自分の体型、気にならないんだ?
☆.。:* ポム
「僕ハ普通!」
(と、主張するポムのそばを、黒竜の子の雷雲が通り過ぎる)
??アレと比べても?
☆.。:* ポム
「アノ子、ヤセスギ! どらごんノ子供ガ、ミンナ雷雲ミタイナ体型ジャナイカラ!」
☆.。:* アーエス(ふっとポムの背後から現れる)
「さて……今日も……新たなる……ポムの遊び方を……研究……」
☆.。:* ポム(逃げようとするが、重くて足が遅いのですぐに捕まる)
「ヒイイイイイイイッ! 助ケテー!」
??やっぱり、もう少しやせるまで、アーエスに遊んでもらった方が良さそうだね。
レンはトリシアに対して告白、プロポーズなどをしたことがありますか? トリシアからは?
☆.。:* レン
「ど、ど、ど、どうして僕がそんなことしなくちゃいけないんだ!? するわけないだろ!」
??勇気がないんだ?
☆.。:* レン(声が裏返る)
「勇気とかそういう問題じゃなく!」
??トリシア、君は?
☆.。:* トリシア(あっさりと)
「ないよ」
??まあ、ずっとそばにいると、なかなか次の一歩に踏み出せないもんだよね。
☆.。:* フィリイ
「なるほどー、それでリュシアンさんは私に告白しないんですねー」
??い、いつからそこに?
☆.。:* フィリイ
「へへへ、恋の話題のあるところ、フィリイちゃんありですよー」
☆.。:* リュシアン
「……お前は消えろ。この世界から消えろ」(ズルズルとフィリイを引っ張ってゆく)
??リュシアンも、いつの間に出てきたんだ?
フィリイちゃんは、三兄弟の中で誰が一番好きですか?
☆.。:* フィリイ
「えー、ひとりですかー?」
??そう、ひとり。ここに連れてきたから選んで。
☆.。:* プリアモンド
「実際に私たちが来る必要があるのか?」
☆.。:* リュシアン
「……ないな」
☆.。:* エティエンヌ
「でも、面白いからいいじゃない」
☆.。:* フィリイ(三人を順番に見ながら)
「んー、プリアモンドさんは優しいしー、いつでも守ってくれそうですよねー。リュシアンさんは性格がアレですけど、見た目がかっこいいし。エティエンヌさんは楽しくって、いっしょにいると退屈しないって言うかー。プレゼントなんかも、こまめにくれそうな感じですー」
??こ、この小悪魔……。
☆.。:* フィリイ
「とにかくー、私を争って三人がけんかするところは見たくないですねー」
☆.。:* リュシアン
「誰がするか!」
☆.。:* フィリイ
「またまた、照れることないのにー。誰も責めませんよー、こんなに可愛い私のことを好きになったってー」
☆.。:* プリアモンド
「…………帰りたい」
☆.。:* エティエンヌ
「あははははは! フィリイって、ほーんと、面白いよね!」
☆.。:* リュシアン
「処刑だ」
お兄さんたちの告白の言葉を教えてください。ショーンに向かって言ってみて。
☆.。:* フィリイ
「ぶー! どうして私に向かってじゃないんですかー?」
☆.。:* プリアモンド
「こ、これは何かの罰ゲームか?」
☆.。:* リュシアン
「……どうやら、この質問者も処刑されたいようだな」
☆.。:* エティエンヌ
「えー、楽しいじゃない? やろうよー」
☆.。:* プリアモンド・リュシアン
「お前だけだ、お前だけ!」
??とりあえず、ショーンを連れてきたよ。
☆.。:* ショーン(もがきながら)
「ええい、放せ! 貴様!」
??ともかく、やってみて。まず、プリアモンド。
☆.。:* プリアモンド
「どうして私からなんだ!?」
??まあまあ。
☆.。:* プリアモンド(せき払いして)
「や、やりにくいな。…………き、君のことを守りたい」
☆.。:* ショーン
「兄上、あまり無理をしないほうが……」
??けっこう平凡でつまんない台詞でくるねえ。もうちょっと、かっこよく決めるかと思ったんだけど。
☆.。:* プリアモンド
「こういうのは苦手なんだ!」
??じゃあ、次、リュシアン。
☆.。:* リュシアン(嫌そうにショーンを指さして)
「……要するに、こいつのことを女の子だと思えばいいわけだろう?」
??まあね。
☆.。:* リュシアン(髪をかき上げて)
「お前の瞳に映っていいのは、この俺だけだ」
☆.。:* ショーン
「……き、気持ち悪いんだが」
☆.。:* リュシアン
「こっちだって同じだ! 頼まれたからやっただけだろうが!」
??最後、エティエンヌの番。
☆.。:* エティエンヌ(笑顔で手を差し出して)
「おいでよ! 僕といっしょだと、ずーっと楽しいよ!」
☆.。:* ショーン
「……楽しいのは兄上だけだな」
??素で口説いてるのが逆に怖いって。
南房さんの好きなのは誰ですか?
??うーん、誰だろう? りりしいし、知的だし、シャーミアンかな?
☆.。:* シャーミアン(こめかみを押さえる)
「……誰かに好きと言われて、こんなに落ち込むことになろうとはな」
??あ、あのね!
☆.。:* シャーミアン
「悪いが、辞退する。他を当たってくれ」
??うう……。となると、ちょっと気が強いけど、アムかなあ。
☆.。:* アムレディア(剣をつきつけながら)
「あらあら? この私のどこを見れば、気が強いなんて言えるのかしら?」
??い、いや。どこって言われても……。
☆.。:* アムレディア
「この剣、昨日研いだばかりなの。よく切れるわよ」
??待った! やっぱり、ええっと……ソリスにする!
☆.。:* ソリス
「……あんたさ、自分の見た目とか人間性とか、考えて言ってる?」
??ぐっ! 人間性のことはソリスに言われたくないぞ!
☆.。:* ソリス
「ま、アンリ先生の二万分の一ぐらい素敵になったら、お茶ぐらいしてあげてもいいわよ」
??い、今は二万分の一以下ってこと!?
☆.。:* ソリス
「んー、正直、六億分の一ぐらい?」
??くっ! もういいもんね! 髪の毛をまとめたら意外と美人のアンガラド、君だけが頼りだ!
☆.。:* アンガラド
「ふふふー、いいわよー。その代わり、血ー、ちょうだい」
??……………………え?
☆.。:* アンガラド
「ちょっとでいいのー。ほらー」
??あ、あの。なんか、たくさん採られてるんだけど?
☆.。:* アンガラド
「このくらい平気よー。あと、ビン2本ぐらいでいいのー」
??ずいぶん大きなビンだよ、それ?
☆.。:* アンガラド
「うふふ、気にしない。ほーら、ビンの中にタポタポッとー」
??い、意識が薄れて。…………はっ! や、やっぱり、君はやめとく!
☆.。:* アンガラド
「それは残念ー。でも、採った血は返さないわよー」
??も、もう仕方がないから、セルマでいいや。
☆.。:* セルマ(むなぐらをつかんで)
「一番最初に名前が出たんなら、まんざらでもないけど、五番目ってどういうことさ、五番目って! その上、『もう仕方がないから、セルマでいいや』だって! あんた、これからしばらくお店に出入り禁止!」
??……ぜ、全滅。とりあえず、みんな同じくらいに好きってことにしておきます。
南房さんは普段なにしてますか?
??え? 普段って、書いてない時? 本を読んだり、DVDを見たり、映画館や美術館や博物館に行ったりかなあ? 博物館や美術館までは、家から歩いて十分ぐらいだし。あと、気が向いたら料理を作ったり、ギター弾いたりしてる。
☆.。:* アンリ
「ずいぶんと格好つけてないか? 一日で何をしている時間が一番長いかって言えば、君の場合、散らかった本の中から必要な資料を探している時間だろう?」
??う。
☆.。:* アンリ
「それに、スペインで買ってきた剣を振り回している時間は、普段とは言わないのかい?」
??しーっ! しーっ! それは秘密!
☆.。:* アンリ
「あとは……そうだな、コーヒー飲み過ぎじゃないか? 家と外で、一日二十杯ぐらい飲んでる」
??ま、まあ、そういうこともある。
☆.。:* アンリ
「見習ったらいけない人間だね」
??じ、次回のQ&Aではアンリの秘密をばらしてやるからな! 覚えてろーっ!(逃げる)
ショーンに質問です!! ズバリ、トリシアのことをどう思っていますか?
☆.。:* ショーン
「……」
??ショーン?
☆.。:* ショーン
「……なぜだ! どうして、この僕がトリシアなどのことをどう思っているか、なんていう質問が来るのだ!? ここは、僕の美しさとか、近寄りがたい高貴さとか、その秘訣を聞くべきだろう!?」
??好きなの?
☆.。:* ショーン
「大好きな先輩だし、尊敬しているぞ! 先輩だし、魔法としてがんばっているし、ロック鳥には乗せてもらったし、他にもいろいろと助けてもらっているからな!」
??あれれ、意外と今日は素直に答えてるなあ。
☆.。:* ショーン(小声で)
「……うしろの柱のかげを見てみろ」
??……なるほど。トリシアがこっそり聞き耳立ててる。これじゃ本音は言えないか。
☆.。:* ショーン(トリシアに聞こえるように)
「な、何を言う! トリシア先輩は最高だ! あははははは……」
??笑い声、力がないね。
ショーンはベル、アーエスのことをどう思っていますか?
☆.。:* ショーン(きっぱりと)
「頭の悪い二人組」
☆.。:* ベル
「……どこかに丁度いい長さの棒、落ちてない?」
??どうするの、そんなもの?
☆.。:* ベル(ショーンを指さして)
「決まってるでしょ! そこのバカ貴族、ぶんなぐるのよ!」
☆.。:* アーエス
「ベル……やめて」
??アーエス、偉いね。けんかを止めるんだ?
☆.。:* アーエス
「なぐらなくても……私が……呪ったから……大丈夫……」
☆.。:* ショーン
「よけい怖いだろ!」
フローラシリーズの今後は?
☆.。:* フローラ
「今のところは出番がないけれど、そのうち復活しますからね! とりあえずは、この『トリシアのお部屋』を乗っ取って……」
☆.。:* オーウェン(フローラをはがいじめにして)
「こらこら、もめごとはなしだよ」
☆.。:* フローラ
「ちょっと! 放しなさい!」
☆.。:* オーウェン
「まあ、たまには僕らもこの部屋に遊びに来るから、みんなもさびしがらないで。あとは、そのうち短編でもね」
ショーンは今まで、どんな怪我や病気になったの?
??ショーン、どう?
☆.。:* ショーン
「うむ。僕は非常にせん細だから、鈍いベルなどと比べれば、医者にかかる回数が多いかも知れんな」
??そう? でも、トリシアのところへはあまり行かないじゃないか?
☆.。:* ショーン(あたりにトリシアがいないことを確認して)
「あいつのオンボロ診療所などに行ったら、よけい症状が悪化するだろうが! サクノス家の屋しきには、かかりつけの立派な医者がいるのだ!」
☆.。:* ベル
「それにしても、あんた体弱すぎ。胃が痛いとか、しょっちゅう言ってるし」
☆.。:* ショーン
「胃が痛い原因の八割がたは貴様だろうが!」
☆.。:* ベル
「怪我もよくするし」
☆.。:* ショーン
「それも貴様が原因だ!」
☆.。:* アーエス
「……腹痛や……頭痛は……呪いが……効いたから……」
☆.。:* ショーン
「お前のせいかあああああああっ!」
『疾風のリュシアン』とかいう名前って誰が付けたんですか?
??『雷鳴のプリアモンド』に、『疾風のリュシアン』に、『幻影のエティエンヌ』だろ? まさか、自分たちで名づけたんじゃ……?
☆.。:* プリアモンド(こめかみを押さえて)
「あのだな、そんな訳ないだろう? 私とリュシアンのあだ名は……」
☆.。:* エティエンヌ
「二年前の武術大会でついた名前だよねー。僕のだけは、騎士団の任務をしてる時に、仲間が付けてくれた名前だけど」
☆.。:* リュシアン
「二年前、武術大会に出場した時に、弓使いと剣さばきの素早さから、俺はそう呼ばれるようになった」
☆.。:* プリアモンド
「私の場合は、技をたたみかける時の荒々しさから、雷鳴と呼ばれるようになったらしい」
??そう言えばプリアモンド、二年連続武術大会優勝おめでとう。
☆.。:* プリアモンド(ちょっと嬉しそう)
「いや、自慢するほどのことじゃない」
☆.。:* エティエンヌ
「でもって、二年連続準優勝がリュシアン兄さんー」
☆.。:* リュシアン(ムッとして)
「ふ、プリアモンドもその前の年には、アンリ殿に準決勝で負けて三位だった。いばれたものじゃない」
??アンリって、あの年以来、武術大会に出ていないよね。
☆.。:* プリアモンド
「そうなんだ。アンリ殿に勝たない限り、胸を張れないよ」
??アンリ、出てあげたら?
☆.。:* アンリ
「いや、あの年だって、むりやり引っ張り出されたんだ。もういいよ」
☆.。:* エティエンヌ
「あの決勝戦ってさあ、確かアンリさんと、謎の女覆面剣士だったよねえ? 覚えてるよ、すっごい戦いだった。どっちも一歩もひかなくって。だけど、あの女剣士、誰だったんだろ?」
☆.。:* アンリ(強ばった顔で)
「さ、さあ?」
☆.。:* エティエンヌ
「でも、覆面なんかしてたんだから、きっと、ゴブリンみたいな顔の……った!」(突然、背後に現れたアムレディアに、頭をはたかれる)
??ひとこと多い。
☆.。:* プリアモンドとリュシアン
「……まさか?」
☆.。:* アムレディア
「ああでもしないと、アンリと戦う機会なんてなかったからです!」
??アムにもあだ名をつけるとすれば、『じゃじゃ馬のアムレディア』だね。
☆.。:* アムレディア
「あなたもひとこと多いです!」
三人組で一番総合成績がいいのは誰?
☆.。:* ショーン
「無論、僕だ!」
☆.。:* ベル
「あたしに決まってるでしょ!」
☆.。:* アーエス
「もちろん……他の二人であるわけがなく……」
??予想通りの答えをありがとう。本当のところは、アンリに聞いてみようかな?
☆.。:* アンリ
「これ、答えていいのかな? 魔法の実技に関しては三人ほぼ横並びだね。魔法理論や数学に関してはショーン。魔法音声学と音楽はアーエス。ベルは意外と運動神経がよく、詩の暗誦も得意だよ」
??結局、誰が一番。
☆.。:* アンリ
「さあ?」
??さあ、って。
☆.。:* アンリ
「誰が一番かを決めるためにするのが勉強じゃないよ。得意なことを伸ばし、何が苦手なのかを知るために試験はするけど、競争相手はあくまでもその子自身だからね。だから、一番成績がいいのは誰かなんて、調べてない」
☆.。:* ショーン
「だから! 僕だと言っておろうが!」
☆.。:* ベル
「あたしだってば!」
☆.。:* アーエス
「疑いの……余地なく……私……」
??レン、君なら答えてくれるかな?
☆.。:* レン
「やっぱりショーンかな? 次がアーエスで、三番目がベル」
☆.。:* ショーン(こぶしを握りしめて)
「よし!」
☆.。:* アーエス
「……呪う」
☆.。:* ベル(レンにしがみつきながら)
「きゃーん! ショーンに負けないように成績上げたいんで、個人的に勉強教えてください!」
??また、どさくさまぎれに。
アリエノール学園ってどうなったの?
??これは学園のレスリー先生に聞くべきだね。
☆.。:* レスリー
「火事のあと、校舎を新しく建てているのですが、完成にはしばらくかかりそうなんです。ですから、生徒さんのお屋敷のお部屋をお借りして、授業を続けているんですよ」
??アリエノール学園の生徒って、大きな屋敷に住んでいるお嬢様が多いからね。
☆.。:* レスリー
「はい。校舎がなくても、授業は問題なく進められていますよ」
サクノス家の領地の中に、町っていくつあるの?
☆.。:* プリアモンド
「これは私に任せてもらおう。人口が五百を超える町は六つ。それよりも小さな村々が七十ほどだ。領地の面積は全部合わせると王国の一割弱にもなる。この管理がけっこう大変で、私たちも一年に数回は視察に行かされるんだ」
☆.。:* エティエンヌ
「騎士団の任務で地方に行くことも多いし、僕ら三人が王都にそろっているのって、一年の半分ぐらいなんだよねー」
ヴォルドとマイルズってどうなったの?
??確か、まだおしゃべりフクロウといっしょみたいだけど。
☆.。:* マイルズ
「いたくていっしょにいるわけじゃありません! ヴォルドさんとあの娘っ子に貸したお金が返ってこないんです!」
☆.。:* ヴォルド
「細けえこと気にすんなよ」
☆.。:* おしゃべりフクロウ
「そうそう」
☆.。:* マイルズ
「ヴォルドさん、金貨百七十二枚! おしゃべりフクロウさん、金貨二百六十七枚! 常識的に、これは細かいこととは言えない金額です! きっちり、利子をつけて返してもらうまで、いっしょにいますからね!」
☆.。:* おしゃべりフクロウ
「でもさー、お金返すためには、お仕事しなくちゃいけないよね?」
☆.。:* マイルズ
「それはまあ……、そうですが」
☆.。:* おしゃべりフクロウ
「お仕事するには、資金が要んのよ。貸して」
☆.。:* マイルズ
「……おいくらで?」
☆.。:* おしゃべりフクロウ
「金貨十枚」
☆.。:* マイルズ(金貨の袋を出して)
「では、これで」
☆.。:* ヴォルド
「この俺も、準備にいろいろ金がかかるんだぜ」
☆.。:* マイルズ
「……仕方ありませんね、はい」
☆.。:* ヴォルド
「へへへ、毎度」
??まだしばらくはこの三人、一緒にいることになりそう。
アンリ、アムレディア、セルマの出逢いって?
??これはアンリから聞こうか? アンリは小さい頃、アールヴの森で暮らしてた時期があるんだよね?
☆.。:* アンリ
「うん。しばらくアールヴの長のところにお世話になっていて、それで親友のフェリノールとも知り合ったんだ。彼、長の息子だから」
☆.。:* アムレディア(冷ややかな口調で)
「アールヴの森には、女の子の友だちもいるみたいだけど? 確か、とってもきれいな子よね? 金髪で、緑の瞳の?」
☆.。:* アンリ
「あのさ、前に説明したろ? 彼女は妹みたいなものだって」
☆.。:* アムレディア(さらに冷ややかに)
「さあ? どうだか?」
??話、先に進めたいんだけど?
☆.。:* アンリ
「そ、そうだった。僕とアムが初めて逢ったのは、アールヴの森を出て少ししてからだよ。僕といっしょに旅をしていた剣士に、アムが仕事を頼みにきたんだ」
☆.。:* アムレディア
「頼りなさそうな男の子を連れていると思ったわ、あの時は」
??貴族たちから王国を取り戻す戦いに、アンリが巻き込まれたきっかけだね。
☆.。:* アンリ
「うん。セルマと出逢ったのはそのちょっと後。ある組織の本部から脱出する途中で、セルマを助け出したんだ」
☆.。:* セルマ
「まあ、いろいろあってね。あたしも捕まってたのさ」
??確か、死にかけてたって?
☆.。:* アムレディア
「あの時は危なかったわ。もう少し発見が遅れていたら、今頃は……」
☆.。:* アンリ
「僕もまだ、そんなに治癒の魔旋律になれていなかったからね。あわてたよ」
☆.。:* セルマ
「あの時に決めたんだ。あんたらに助けてもらった命だから、あんたらのために使うってさ」
☆.。:* アンリ
「そういうことは言わない」
☆.。:* アムレディア
「そうよ。私もアンリも、あなたに恩義を感じて欲しくて助けたんじゃないんだから」
☆.。:* セルマ
「……うん。ごめん」
??君たちの絆の強さは、みんなが認めてるよ。
エマやイアンはどうしてる?
☆.。:* レン
「エマは『星見の塔』の生徒になったよ。イアンはたまにいっしょに塔に来て、庭で昼寝してる」
??エマ、成績がいいみたいだね?
☆.。:* レン
「才能はあるね。ただひとつ問題が……」
☆.。:* アーエス
「いいかね……後輩……呪いというものは……相手を……じっくり……観察し……弱点をつくように……かける」
☆.。:* エマ
「はい、先輩!」
☆.。:* アーエス
「……不意を突くのも……効果的……相手が……やり返そうと……思わないくらい……てってい的に……」
☆.。:* エマ
「はい! 先輩の教え、参考になります!」
☆.。:* レン
「エマ、アーエスになついちゃって……」
??頭が痛い。
四兄弟のお父さんとお母さんの髪の色は? ……四兄弟の髪の色がバラバラなので。
☆.。:* プリアモンド
「親父さんは私の色に近い銀髪だな。母は見事なまでの金髪」
☆.。:* エティエンヌ
「僕、母さん似ー。ショーンもそうだよー」
☆.。:* リュシアン
「俺の黒髪はじじい似だな。従姉妹たちを含めた一族全体で見ると、黒髪の方が多いぞ」
南房さんとトリシアたちの出逢いは? また第一印象は?
??トリシアと初めて会ったのは、アンリが彼女を僕の家に連れてきてくれた時だったよ。あの頃のトリシアは、今と違っておとなしくって、可愛らしかったんだけど……。
☆.。:* レン
「猫かぶってたんだ」
??知ってる。
☆.。:* トリシア
「あんたたち、失礼ね! わたしはいつだって、物静かでおしとやか!」
??レンとはその一年ぐらい前。ファヴローウェインの森での降星祭に、アンリについてきてた。
☆.。:* レン
「……う。今、嫌なこと思い出しかけた」
??それって、浮かれて妖精を追いかけて、迷子になったこと?
☆.。:* レン
「わ、わ、わ! それ、秘密だろ!」
??それとも、アールヴの女の子に見とれてて、川に落ちたこと?
☆.。:* レン
「だーっ!」
??要するに、レンは落ち着きのない子って印象だったってこと。
☆.。:* キャスリーン
「このわたくしの初対面の印象、悪かったとは言わせませんわよ」
??ああ、王城で会ったのって、君が七歳ぐらいの時だよね?
☆.。:* キャスリーン
「見とれて言葉を失うほど可愛かったでしょう? 照れずに本当のことを言ってよろしいのですよ」
??いや、言葉を失ってたのは君。僕をじーっと見て、黙ってた。
☆.。:* キャスリーン
「そ、そうでしたかしら?」
??人見知りする子だったんだよ。でも、こっちの世界から持っていったプリンをあげたら、あっという間に食べちゃって、もっとよこせってしがみついてきたよね。
☆.。:* キャスリーン
「そ、そ、そ、そんなこと、してませんわよ!」
☆.。:* トリシア
「……もう、昔の話はやめない?」
☆.。:* レンとキャスリーン
「……賛成」

…さてさて、Q&Aコーナー、ここまではいかがでしたか?
ここまでもかなりの読みごたえですが、実は、嬉しいことに、まだまだ続きがあります!!
後半は、来月の「トリシアのお部屋」に掲載します!
来月をお楽しみにね!