WEB限定 書き下ろし小説

はじまりの三人組!!

第二回

 とつぜん、銀髪の少女はベルの背中に手を回して、ギュッとだきしめた。
「え……あ……。」
 不意に、ベルの目からなみだがあふれる。
「……お母さん……大切だから……おこった……そうでしょ?」
 少女は言った。
「……うん。」
 うなずくベル。
「とっても……大切……大好きだから……。」
「うん。」
「……まちがって……ないよ……。」
「うん。」
 生まれて初めて、両親以外のだれかにみとめてもらえたような気がした。
「まちがって……ない。」
「うん。」
 ベルはそのまま少女の手にだかれ、顔をクシャクシャにして立ちつくしていた。
 通りがかりの人たちが、不思議そうな目を向けるのを気にすることもなく。

「もう……帰る……から。」
 しばらくして、銀髪の少女はベルからはなれた。
「あ……うん。」
 ベルは少しばかりほおを赤くしてうなずく。
「あのさ……名前。」
 ベルは少女の背中に声をかけた。
「?」
 ふり返った少女は首を少しかしげる。
「あんたの名前よ!」
「…………………………アーエス。」
「あたしはベル! またね!」
「ん。」
 銀色の髪の少女は小さくうなずくと、トトトッとかけていった。


………ベルとアーエスの間に生まれた、小さなきずな………
さて、一方ショーンは?
次号をお楽しみに!
次回は、5月中旬頃の更新です。