WEB限定 書き下ろし小説

HP限定書き下ろし ショーン、騎士団入団!?

第一回

「あのだな! ぼくがこ~んなになやんだ顔をしているのに、何かあったの、とか聞いたらどうだ!?」
「はいはい、聞けばいいんでしょ? ド、ウ、シ、タ、ノ?」
 セリフぼう読みといった感じのベル。
「今さらおそい!」
「じゃあ、聞かない」
「…………聞いて」
 ショーンはすがりついた。
「仕っ方ないわね!」
「ショーン……放っておくと……すねるから」
 ベルとアーエスはあきらめ顔で、ショーンの話を聞くことにする。
「実はだな」
 ショーンはとたんにえらそうなたいどになり、むねを張った。
「明日、わが栄光の白天馬騎士団(はくばきしだん)の、入団試験があるのだ」
「へ~」
「ほ~」
「……何だその、いかにも関心ありません、といった感じの相づちは?」
「だって、関心ないもの」
「まったく……ないね」
 肩(かた)をすくめるベルたち。
「と、ともかく、騎士団の入団試験があって、それに合格すると、騎士団しょぞくの従者(じゅうしゃ)になれるのだ」
 従者とは、騎士のおともをして、武器(ぶき)の手入れをしたり、よろいを身につけるのを手伝ったりする者のこと。
 従者になって、様々なちしきを身につけ、修業(しゅぎょう)をつんだ者が、さらにすばらしい手がらを立てると、正式に騎士になれるのである。
「サクノス家の男子であり、才のうに満ちあふれたこのぼくも、もちろん、その試験を受ける」
 ショーンは自分を指さした。
「合格すれば、次の日から、このぼくは従者! 騎士団本部に住み、騎士としての修業が始まることになる。つまり、君たちと同じ学校に通うのも、今日が最後ということだ」
「ふ~ん」
「ほうほう」
 帰りじたくを続けながら、かなりてきとうにうなずくベルとアーエス。