WEB限定 書き下ろし小説

はじまりの三人組!!

第五回

「どうして……ここに?」
「え、ええと……」
 心配だったから助けに来た、とすなおに言えないのが、ベルのごうじょうなところ。
「ぐ、ぐうぜん通りかかったのよ!」
「そうだな、ぐうぜんだ」
 ショーンもうなずく。
「お花屋さんには……聞いてない」
「何だとおおっ!」
 ベルとくらべると、ショーンはちょっとばかりアーエスから軽く見られているようだ。
「観念しなさい! こんなことを父さんが知ったら、アムリオン中の商人がだまっていないんだから」
 ベルはキッと商人をふり返った。
「そうか? ならばお父上に知られないよう、おじょうさまには永遠にだまっていただこう」
 ニヤリと笑った商人は、パチンと指を鳴らす。
「こんな時のために、やとっている連中がいるのでね」
 ザザッ!
 それを合図に、どこからともなく三十人ほどの男たちがあらわれて、ベルたちを囲んだ。
 大がらで、あらっぽそうな用心棒(ようじんぼう)たちだ。
 しかし。
「争いごとは苦手なんだけどね」
 アンリは落ちついた様子で用心棒たちを見わたした。
「ガキだからといって、ようしゃはしねえぞ」
 用心棒たちは剣(けん)をぬく。
「お、おとなしくこうさんしろ! さもないと、サクノス家の名よにかけて、ここにいるアンリがきさまらをたおすぞ!」
 ショーンはそうどなると、ベルのかげにかくれた。
「……あんたって、本当に役立たずね」
 ベルはあきれて、いかる気も失せる。
「かかれ!」
  号令をかける商人。
  と、その時。


………ついに三人組が集まった!
しかし、絶体絶命の大ピンチ! どうする?