WEB限定 書き下ろし小説

はじまりの三人組!!

第五回

 ホームページ限定♪大人気連さい第五回です!!
 あらすじ
…それは、三人組がまだ「星見の塔」に入る前の話。
はたらいて、家のくらしを支えていたアーエスは、
家族のために、あやしい商人についていく決心をする。
それをぐうぜん、ベルとショーンが見かけていた…。


「どうして、あの子の後を追っている!?」
「……アーエスを……知ってるの?」
 ベルはおどろいてショーンの顔を見つめる。
「ま、まあな」
 その辺のじじょうは花だんのこともあり、ごまかしたいショーン。
「名前は初めて聞いたが、ちょっとしたきっかけで知りあった」
「……聞いて」
 ベルは少し考えてから、ショーンに打ちあけた。
「アーエスの様子がおかしかったの。いっしょにいる男も、信用できないやつ」
「はあ? たったそれだけの理由で後をつけているのか?」
と、ショーンはあきれた様子である。
「ただのかんちがいかも知れない。でも、放っとけないのよ!」
「意外と友達想いなのだな」
「そんなんじゃないわよ! ……でも」
 ベルはくちびるをかんだ。
「……あの子だけなのよ。お金持ちのおじょうさまベルでも、アザラシの子でもなく、ただのベルとしてあたしを見てくれたのは」
「ただのベル、か……」
 ショーン自身も、ベルのことを、生意気なわがままな一面しか見ていなかったことに気がつく。
「仕方がないな。手伝ってやろう、ただのベル」
「あんたって意外といいやつ?」
「意外はよけいだ」
「そっちこそ、ただのベルってよぶんじゃないわよ」
 二人は肩をならべ、追せきをさいかいした。