WEB限定 書き下ろし小説

騎士の資格

第二回

「やっほー、ただいまー」
「おいおい、どこに行ってた? お前、今夜の見回りの当番だったろう?」
 騎士団本部の食堂に手を振って入ってきたエティエンヌを見て、プリアモンドは顔をしかめていた。
 帰ってくると約束していた時間はとうに過ぎ、もう明け方に近い。
「見回りは俺が代わった」
 と、冷たい視線を向けたのはリュシアンだ。
「キーキー小うるさいシャーミアンに、あとで謝っておけ」
「はいはーい。分かってまーす」
 エティエンヌは二人に笑いかけ、ウインクした。
「……ところで、この時間でも花の種売ってるお店知らないかなあ? ショーンにプレゼントしたいんだけど?」
「もうとっくに店は閉まっている時間だ」
「知るか」
「うーん、残念」
 いったん肩を落したエティエンヌだが、すぐにパッと明るい顔になる。
「そうだ! 明日、見回りの前にちょーっとお買い物に……」
「「だからサボるんじゃない!」」
 二人の兄の声が見事にハモった。

                                終わり

………「騎士の資格・最終話 エティエンヌの場合」は、いかがでしたか?
やっぱりエティエンヌお兄様はカッコイイ!!
そのカッコよさ、早くショーンから認めてもらえるといいですね(笑)